マルメロ~『花梨(かりん)』との違いや食べ方は?~

マルメロ
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青果のコーナーを見ていると、たまに変わった果物を売っていることがあります。

『マルメロ』は果物の一種ですが、りんごや梨などの一般的な果物と比べるとあまり出回っておらず、見たことが無いという人もいるでしょう。

『これって何?』
『そのまま食べられるの?』
『かりんに似ているけど違うの?』

…などの疑問もあることと思います。

今回は『マルメロ』について、よく似ている『花梨(かりん)』との違いもまじえながら簡単に書いていこうと思います。

マルメロってどんな果物?

産毛の生えた不思議な見た目

洋梨のような、下がどっしりとした形をした、黄色~緑っぽい見た目。

そして最大の特徴は表面に生えた産毛です。

フェルトみたいな手触りで、こすると簡単に取れます。

こすり洗いしたものがこちら。産毛がすっかり無くなり、つやつやと光沢のある黄色い果皮が現れました。

ちょっとワックスっぽい感じが『りんご』のそれに似ているように思います。

果肉は硬く、ザラザラ

触るとかなりしっかりしていますが、果肉も硬く、包丁で切るのにけっこう力をいれる必要があります。

特に芯の近くが硬く、ザリザリしています。

これは半分に切ったもの。真ん中にいくつか種があります。

見た感じだと『りんご』や『梨』に似ていますね。

種をアップで撮ってみたもの。

こちらも形や大きさは『りんご』みたいです。…ちょっとぬめりがあるかな?

香りがとても良い

マルメロは香りがとても良く

  • 切る前(そのままの状態)はレモンとりんごを足して二で割ったようなさわやかな香り
  • 切ると中からりんごのような香り

……がします。(あくまでわたしの主観なので人によっては違うかもしれません)

花梨(かりん)との違いは?

さて、似たような果物に『花梨(かりん)』があります。

といっても日本においてはマルメロより『かりん』のほうがメジャーだと思うのでどちらかといえば『マルメロがかりんに似ている』と言ったほうがいいのかもしれません。両方バラ科の果物で、別物ではあるのですがマルメロのことを『かりん』と呼ぶこともあります。それはおそらく地域の文化によるものと思われるため、呼んでいてもあながち間違いでは無いのだと思います。(実際、わたしが購入したものも『かりん』と表記されていました)

かりんの見た目と断面。

マルメロは先述のとおり産毛がありますが、かりんにはありません。ただ、洗ったマルメロの果皮の色味はソックリです。形状が少し異なり細長めで、断面は果肉の状態は似ていますが種の付き方が違います。

また、両方とも食べるためには加熱加工する必要がありますがここにも違いがあります。マルメロは特にアクが強くないのですが、かりんのアクは段違いに強いです。かりんの場合一晩以上かける必要があるようで、買ってすぐに調理…はできないので注意が必要。

マルメロの食べ方は?

生では食べられません

マルメロはかりん同様、生では食べません。…というより『食べられません』

それを承知の上、念のため生の味も確認してみたのですが、

やまも
やまも

うぇ、渋っ……(ぺっぺっ)

生の状態だと渋みと酸味が強く、渋さが後味に残ります。噛んだとき果汁は出てきますが、果肉がばさばさした食感で口の中に残るため舌触りはよくない。やっぱり生で食べるものじゃないです。

生ではそんな感じのマルメロですが、果実酒や菓子類に加工すると美味しくいただくことができます。かりんを使うレシピならほぼ代用可能でしょう。

マルメロのコンポートを作ってみた

今回はコンポートっぽく仕上げてみたので紹介しておきます。試作だったのでちょっと分量等が雑ですが参考になりましたらと思います。

材料

今回マルメロは2個使用しました。

  • マルメロ…2個(正味185g)
  • 砂糖…マルメロの分量の50~60%
  • 水……200cc
  • ※塩水(切ったマルメロの褐変防止用)……適量
砂糖は今回キリがよかったので100g(※60%)使用。また、詳しくは後述しますが水はもうちょっと少なくても大丈夫です。
やまも
やまも

けっこう酸味が強いから、すっぱいのが苦手な人は砂糖多めがいいと思う

手順

マルメロの皮を剥き、芯をとる。

マルメロを洗って皮を剥き、芯をとりながらカットします。カットのイメージとしてはりんごの切り方と同じような感じでOK。

やまも
やまも

ここでのポイントは
いったん塩水に浸ける
…という点

りんごや桃などの果物は切った際に空気中の酸素と反応して褐変(茶色く変色)してしまいます。マルメロも同様に変色してしまうため、切ったらすぐに塩水に浸けておきます。

ずんだ
ずんだ

体感ですが、マルメロは褐変までの時間が短い気がします。手早く行ったほうがいいと思います

アク抜きは当時した記憶が無いので(塩水には浸けていましたが何分漬けたか記録を残していませんでした)特にこの段階ではしなくていいと思いますが、心配な場合は念のためアク抜きも兼ねて10~15分漬けておいたほうがいいかもしれません。

左は塩水につけなかったもの、右が塩水につけたものです。こう見ると右がやはりきれいです。
塩水は切る前にあらかじめ準備しておくとスムーズに作業できます。

ちなみに、塩水につけた後すりおろした場合、すりおろした部分は新たに酸素に触れることになるため褐変するのでご注意を。

水と砂糖と一緒に煮る

塩水に浸けたマルメロの果肉を軽く洗い、鍋に水と砂糖と一緒に入れて火にかけます。

アクが出てきた場合はおたまで取り除いてください。

ことこと煮て、やわらかくなったら完成。

感想・反省点

酸味がけっこう効いている(生より強く感じる気がする)ものの、砂糖の甘みもあり美味しく仕上がりました。見た目はりんご煮のようですが、、食感は少しざらっとしているので洋梨に似ているように感じます。

反省点としては、水分をとばすのに20分とかなり時間をかけてしまったこと。やわらかくなるまでの時間は早いので、水を減らせばもっと少ない時間でできたはずです。なので200ccも必要無いでしょう。

ちなみにジャムにも挑戦してみましたが、ちょっとザラザラ感が強い印象。砂糖は60%にしましたが、ジャムとして煮詰める場合は甘すぎる気がするのでもうちょっと少なくていいかな……といった感じでした。そこは好みによりますね。

個人的にはジャムより砂糖煮のほうが手軽かなぁ……。

マルメロは入手機会がなかなか訪れないのでリベンジが難しいのですが、今後また購入できたら果実酒にもチャレンジしてみたいなと思っています。

まとめ

やまも
やまも

今回の記事を軽くまとめてみるとこんな感じ

  • マルメロは産毛の生えていて、かりんには産毛が無い
  • マルメロはかりんほどアクは強くない
  • 果肉が褐変するので塩水に浸ける
  • 果実酒のほか、コンポートやジャムに加工できる

地域によってはちょっと珍しい果物、機会がありましたら是非ご賞味ください。

【更新状況】
20.12.13:『かりんとマルメロ』の項に追記。
23.12.29:全体的に構成を変更。
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