紫色の野菜といえばあなたは何を思い浮かべるでしょう?ナスくらいしか浮かばないという人も多いんじゃないでしょうか。他には紫キャベツや紫玉ねぎなどもありますが、お店によっては取り扱っていないこともあります。
実際紫色の野菜のうち出回っているものはあまり多くないため、見かける機会は限られます。ですが、大きな青果コーナーのあるスーパーや直売所などではたまに変わったものを見かけることもあります。

こちらは一例。紅大根の一種、『紅しぐれ』。紫色をした大根です。

断面。左がヘタに近い部分、右が真ん中に近い部分です。
中まで色が付いているのですが、外側の色と中の色の濃さは比例しているみたいです。

薄切りにしたらこんな感じ(※デジカメ撮影なので肉眼だともう少し赤いかも)。
それを酢漬け(もしくは甘酢漬け)にすると、


すごいきれいな色!!
明るいピンク色に変化します。
また、もうひとつ例として『紫カリフラワー』を上げてみます。
こちらも茹でる際に酢を使わないと暗い青色になってしまいます。


図にするとこんな感じ↓

こう見ると茹で方でだいぶ色が異なってくるのがわかります。
仮に茹でたあとの青くなったカリフラワーでも酢やドレッシング、レモン汁などをかけてみるとまた明るい紫色になります。なかなかに面白い。
さて、何故酢によってこのように色が変わるのでしょうか。
これらの野菜の紫色は『アントシアニン』という色素によるもの。青系の色素で、野菜だけでなく紫や青の花の色もこれが由来となります。
アントシアニンの特性のひとつとして、『酸性に寄るとピンク色になる』というものがあります。なので、酢やレモン汁などといった酸性の調味料と合わせるとピンク色(明るい色)になるんですね。
ちなみに、同じ食べ物でアントシアニンを含むものの例として
『赤オクラ』
『紫芋』
……などもあります。紫色をしているものには大体含まれると思っておいてOK。

食べ物じゃないけどアジサイの話が昔から有名ね(土が酸性だとピンクっぽくなると言われています)
というわけで、野菜の紫色がピンク色になる理由は『色素とpHの関係』によるものでした。
簡単にでしたが参考になりましたらと思います。