昔から、料理の基本のひとつに『さしすせそ』というのがあります。
今回はこの『さしすせそ』について簡単に書いていこうと思います。
料理の『さしすせそ』って何?
調味料の文字をとったもの
この『さしすせそ』、普段わたしたちが使う調味料の文字をとったものです。
上から順に、
【し】~塩(しお)
【す】~酢(す)
【せ】~醤油(しょうゆ/せうゆ)
【そ】~味噌(みそ)
…となっています。
『せ』が昔の書き方の『せう』で醤油なのと、味噌の『そ』だけ頭文字ではないのでその点がちょっとややこしいのですが、一度覚えてしまえばそこまで難しいものではありません。
『そ』は『ソース』じゃないからちょっと注意
上から順に入れるといいとされている
さらに、この『さしすせそ』は並びにも意味があります。おいしい料理を作るためにはこの順番に入れるといいとされています。
例えば、砂糖の場合、塩や醤油などを入れた後だと味がしみにくくなるため、基本的には最初に入れます。また、味噌が最後になっているのは沸騰させてしまうと味噌の風味を損ねてしまうから。よく、味噌汁を作る際に『味噌を入れた後は沸騰させないように』と言われていますね。酢は、加熱で味が飛んでしまうので、あまり早めに入れない方が良いでしょう。
このように、きちんと理由があるわけです。
これ以外の調味料は?
では、これ以外の調味料はどうでしょうか?
上記のように理由を付けて考えれば、下のようになるかなと思います。
※本来油脂などは調味料ではないのですが一応一緒に書いています。
油
焦げ付かないようにするため、基本的には材料を加熱する前。つまりいちばん最初。
ただし、ごま油やねぎ油など、風味付けの用途であれば他の液体調味料と同じくらいか、入れた後(仕上げくらい)。
バター
油と同様、基本的にいちばん最初。風味付けに後から入れる場合もあり。
酒
臭み取りの用途であれば、肉や魚を加熱する時点または加熱をはじめた直後あたり。あらかじめ下味と一緒に漬けておくのであれば特に追加の必要は無し。
ソース
ソース類は塩分が高めなので砂糖の後であれば問題なさそう。
必ずしも『その通りでなくてはならない』わけではない
さて、上にも書いたとおり順番にはきちんと理由があるわけなのですが、必ずしも絶対守らなければならないというわけでもないと考えています。
例えば、砂糖はいちばん最初と言われていますが、水分のあまり無いところに砂糖だけ入れると焦げ付いたり固まって噛めないくらいカチカチの『ダマ』になってしまったりする場合があります。その場合はあらかじめ醤油など他の液体調味料と混ぜておいた方が失敗しにくいでしょう。また、味噌も味噌汁のように『味噌の風味自体を楽しむもの』の場合はあまり沸騰させないほうがいいのですが、味噌煮のように『魚などの臭みを消すという役割が大きいもの』では目的が違うため、多少早めに入れても問題ないのではないかと思います。
また『順番通りに入れる』ためには『調味料ごとに皿を分ける』必要があり、洗い物が増えるというのは普段自炊をする人にとってはネックな点でもあります。そもそも本やネットのレシピでも調味料を全部混ぜていることが多いですし、実際に自分もそれで作って特に問題に感じたことはありません。あまり順番に固執しすぎると混乱やストレスの元ですし、料理の専門の方が出しているレシピや監修の入っているだろう本のレシピにまず間違いは無いでしょうから、下手にこだわるよりレシピ通りに作るのが確実かと思います。
頭の片隅に置いておくくらいでもいいのかもしれません
料理の基本知識ですし、覚えていて決して損は無いのですが、ケースバイケースでもあるのでこだわりすぎにはご注意くださいね。