きのこの一種『えのきだけ』。白く細いのが特徴で、よく鍋物に使います。『なめたけ』の材料にもなっていますね。
普段見るのは白いえのきだけですが、たまに茶色いえのきだけを見かけることはないでしょうか。それは『ブラウンえのき』または『茶えのき』などと呼ばれるきのこ。近年はスーパーでも取り扱いが増えてきているように思います。
では、色以外に何が違うのでしょうか。
今回は『ブラウンえのき(茶えのき)』と普通の白えのきとの違いについて簡単に書いていこうと思います。
『ブラウンえのき』と『白いえのき』の違いは?
よく見るとちょっと大きい
では写真で比較してみます。
上が『ブラウンえのき(茶えのき)』。茶色と言っても椎茸やヒラタケのような濃さではなく、なめこのような淡い赤茶色。特にカサと下部分の色が濃いのが特徴。カサの色が濃いため、光沢が目によく見えます。
下は切っちゃったから写ってないけど、菌床に近い部分の色はそんなに濃くは無かったかな……
下は普通のえのき。真っ白というよりはちょっとクリーム色がかった色ですが、それでもここまで白いキノコはほかにあまり出回らないのでえのきの大きな特徴のひとつと言えます。
一見違うのは色だけのように見えますが、よ~く見ると、
のがわかります。
触った感じもちょっとしっかりめ。
ちなみに白えのきは加熱してもそこまで色が変わらないですが、ブラウンえのきは加熱すると赤茶色から濃い茶色に変化します。
ブラウンえのきはちょっと硬め
ブラウンえのきは一本一本がしっかりしている印象。
実際包丁で切ってみると『ジャキッ』と良い音がします。
加熱してもけっこうシャキシャキ感が残るよ
加熱した白えのきは食感がやわらかくなめらかである一方、ブラウンえのきは長めに加熱しても歯ごたえが残るため食感が良いです。
ブラウンえのきは香りや旨みが濃い
白えのきもキノコのいい香りがするのですが、ブラウンえのきのほうがちょっと濃厚な香りがします。
やっぱり色や香りが濃いほうが旨みが強いのかな?
確かめてみるべく、ほぼ同じ条件になるように茹でて確認してみました。
②さっと洗ったえのき一束(101g)※を入れ、9分ほど茹でる
③両方同じくらいの温度まで冷ます
左が白えのき、右がブラウンえのき。
鍋に入っている段階だとちょっとわかりづらいですが、白い容器に入れてみるとブラウンえのきのほうが少し色が濃いのがわかります。また、茹でている段階でも感じましたが、生の時と同様、香りもこちらのほうが強いです。
両方飲んで味を確認してみたところ、白のほうはあっさりめの甘みがありますが、ブラウンのほうは少し濃く、後にひく感じがありました。ただ、実際飲み比べたらわかるものの、単体で飲んだらあまり違いがわからないかもしれないなと思います。
大きく違うというわけではないですが、濃いには濃い…という印象。(※あくまで個人的な感想です。食べ慣れている人だと違いがわかりやすいかもしれません)
それぞれどのような料理に向くの?
基本的に、どちらも同様に使うことができます。
鍋物や汁物、炒め物など。クセが少ないので応用がききやすい。
今までに上げたそれぞれの特徴から、
茶:白より少し濃厚、食感しっかりめ。
といった感じなので、例えば
『薄い色に仕上げたい、やわらかく仕上げたいなら白』
『食感を楽しみたいなら茶色』
……といったように使い分けをするという手もあります。噛む力が弱い人だとブラウンえのきはちょっと硬いかもしれないので、もし無理そうだったら白えのきを選んだ方がよさそう。
まとめ+補足
最後にそれぞれの特徴をまとめて終わろう
・淡い赤茶色。加熱すると濃くなる
・カサが大きく、太い
・通常のえのきよりシャキシャキ感が強い。加熱しても歯ごたえが残る
・少しクリームがかった白い色
・ほっそりしている
・やわらかい。加熱するとさらになめらかなやわらかさになる
…と、ざっくりまとめればこんな感じ。
取り扱いがあるかどうかはお店によりますが、おいしいキノコなのでもし見かけたら是非買って食べてみてくださいね。
あと、えのきだけ含むキノコ全般についての注意点を書いておくね
触った後に器具や生食のものに触れないようにくれぐれもご注意くださいね。
22.02.22:だし汁の比較写真など追加し大幅にリニューアル
24.09.17:全体の構成変更