みかんの仲間には『生で食べられる甘いもの』と、『すっぱくてそのままでは食べられないもの』があります。
すっぱいものは『香酸柑橘(こうさんかんきつ)』と呼ばれます。代表的なものだと『レモン』がありますね。ほかにも『すだち』『かぼす』『ライム』などが挙げられます。
その中でも冬頃国産がよく出回るものに『橙(だいだい)』、『柚子(ゆず)』があります。橙はこの時期くらいしか見かけないので、『どんな果物?』と思う人もいるのではないでしょうか。
今回は『橙(だいだい)と柚子(ゆず)の違い』について、簡単にお話していこうと思います。
橙と柚子の違いを見てみよう
橙はオレンジ色、柚子は黄色※
まずわかりやすいのが見た目、特に『色』です。
橙はオレンジのような赤みのある色をしています(一部少し緑を残している場合もあります)。
『だいだい色』って色の名前はそのままこの『橙』から来てるんだよな
一方『柚子(ゆず)』は基本的に緑~黄色。上のものはけっこう明るめの黄色ですが、ものによってはもう少し赤みが付いてオレンジ色寄りの黄色だったりします。春あたりにはもう少し橙に近い色合いのものも。
橙と同じ時期ならやっぱり黄色かなぁ
実際並べるとこんな感じ。だいぶ色が違うのがわかります。
橙は丸っこく、柚子はゴツゴツしている
色以外の見た目で違う点といえば形状。
橙は全体的に丸く、比較的つるりとした輪郭。
柚子はそれと比べるとちょっとゴツゴツとしています。
尻部分を見るとかなりわかりやすいと思う
柚子をひっくり返して尻部分を見てみると、ぐるっと周辺が盛り上がってその中心がへこんでいます。割と全体的にゴツゴツな中、この部分はかなり目立つのでわかりやすいです。
こっちは橙。特にくぼみは見られません。普通にみかんっぽい形。
柚子は独特の香りと風味あり
柚子は香酸柑橘の中でもかなり香りが強い種類になります。独特の良い香りと風味があるため好んでいる方も多いかと思います。
橙はそのような特殊な風味は無く、どちらかといえば純粋にすっぱいイメージ。ただし少し柑橘特有の苦みもあります。
使い道はそれぞれ異なる
食用以外の役割がある
橙と柚子は食用以外にも冬場それぞれの役割があります。
①橙(だいだい):正月飾り、鏡餅
②柚子(ゆず):冬至の柚子風呂
鏡餅の上によく小さいみかんが載っていますね。温州みかんかと思われがちですが、あれは本来温州みかんではなく橙です。正月飾りにも使いますね。12月あたりになるとお店によく並んでいます。飾りに使うので見栄えをよくするためか、葉っぱ付きのものもありますがちょっとお高め(今回撮影のため葉付きを購入しましたが時間が経ったのでちょっとしなびちゃいましたね……)。
また、12月は冬至をむかえます。柚子風呂に浸かってのんびりするのもいいものです。香りにも癒されますからね。ただ年や地域によっては不作で手に入りづらい場合もあるため注意が必要。豊作の年は是非逃さないようにしたいですね。
もちろん食用にもできる
先に食用以外での使い道について書きましたが、もちろん食用でも使えます。
①橙(だいだい):果汁をポン酢やドレッシングに使う
②柚子(ゆず):果汁を使うほか、漬物にしたり菓子に入れるなど様々
橙は果汁をしぼって種を取り除き、しょうゆと混ぜればポン酢になります。また調味料次第ではドレッシングとしても利用可。
手でもじゅうぶん絞れます。絞り器があればより無駄なく絞れるでしょう。
橙は日持ちがするから、正月飾りに使った後でも間に合うんじゃないかと思う
また、お店によっては正月が終わった後にまとめて売っている場合もあるのでご興味があれば青果コーナーや直売所で探してみてください。
柚子は絞って果汁を使ってもいいですが、
『味噌やしょうゆ漬けにする』
『皮をピールにする』
『皮を和え物などの料理に入れる』
『皮や果汁を入れて寒天や焼き菓子を作る』
…など、いろんな方法があります。
橙じゃ同じようにするのは難しいかなぁ
柚子とは特性が異なりますからね……
柚子は香りの良さや皮の分厚さを利用して幅広く使えるイメージ。ただ橙と比べるとちょっと日持ちが良くないので早めに使うのがおすすめ。
まとめ
じゃあ簡単にまとめてみよう
橙(だいだい)と柚子(ゆず)の違いは、
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橙は赤みが強く、柚子は黄色い
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橙は丸っこく、柚子はゴツゴツしている
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柚子は独特の香りを持つ
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橙は正月飾り、柚子は冬至の柚子風呂に使う
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橙は主に絞ってポン酢などに使う。柚子は果汁のほか皮や果肉など用途が広く、いろんな料理に使える。
……と、こんな感じ。出回る時期は被っていても別物であると思ったほうがいいでしょう。
それぞれ良いところや使いづらいところがあるので、それを把握しておくと役に立つかもしれませんね。