かぼちゃはいろんな種類があり、大きく『西洋かぼちゃ』『日本かぼちゃ』に分けられます。
今回はそれぞれの品種例や向いている調理法などを簡単にまとめてみました。
※『ペポかぼちゃ』というのもありますが、特殊なので今回は除外しています。
西洋かぼちゃの調理のコツ
西洋かぼちゃの種類と特徴
西洋かぼちゃとは、一般的によく見かけるこのようなかぼちゃ。
上写真のように1/4カットをラップにくるんで売っていることが多いです。ほかにも丸ごとだったり煮物や焼き物用に小さくカットされている場合も。
デコボコがあまり無く、出回っているものはほぼ丸く緑色の果皮と共通。たまに細長いものや白っぽいものがあるくらい。
えびす・くりあじ・こふき・ロロン・雪化粧 など
煮物や焼き物、汁物などオールマイティに使える
西洋かぼちゃの特徴というと……
【難】かなり硬い。特に丸ごとの場合切りづらいので注意。
…という点が挙げられます。
西洋かぼちゃは味が濃く、味付けせず加熱しただけでもけっこう甘いです。また、全体的に硬くしっかりしているので崩れにくく、焼いたり煮物にしたりするのに最適。特に煮物はほっくりとした食感に仕上がりますし、元々の甘みと砂糖・しょうゆなどの調味料がよく合うのでオススメ。
シンプルにかぼちゃだけでも良いですが、油揚げや鶏肉などを入れると旨味がプラスされて美味しい。ひき肉とそぼろ煮にしてもOK。上写真のようにインゲンなど緑色を加えると見た目にもバランスが良くなります。
ちなみに小豆と煮ると『いとこ煮』になります。これはおかずというより甘味かな?
あとは
・薄く切って焼いて塩やタレで食べる
・つぶしてサラダにする(ポテサラのような要領。甘いサラダになります)
・汁の実にする(味噌汁やシチューなど)
・グラタンの具にする
…などなど、いろんな料理に使えます。焼き菓子の生地に混ぜて焼いたりしてもOK。
注意点は?
ここまで便利な西洋かぼちゃ、デメリットってある?と思いますが、敢えて言うなら
『とても硬い』
…ということ。
実も厚いので、切るのにかなりの力が必要です。1/4カットならまだ切りやすいほうですが、これが丸ごと1個からとなると更に難易度は上がります。丸っこく安定性もあまりよくないので、手が滑らないよう注意が必要。また、無理して切ろうとすると包丁が欠ける可能性もあるので気を付けてください。
丸1個のほうが貯蔵性は高いんだけど切るのが大変だから、切れる自信が無い人はカットしたものを買ったほうがいいかも
日本かぼちゃの調理のコツ
日本かぼちゃの種類と特徴
日本かぼちゃは西洋かぼちゃと比べると見た目に個性があります。
代表的なものは黒皮かぼちゃ。写真のものはちょっと日焼けしてしまっていますが、しっかり色づいていれば黒っぽいつやのある見た目です。かぼちゃの中では割と高級品。
一方、鶴首かぼちゃやバターナッツなどひょうたんのような形のものもあります。こちらは値段が安めで手に取りやすい。
色や形がバラバラなのは大体は日本かぼちゃと思っていいです(※品種によっては例外あり)。
黒皮かぼちゃ(日向かぼちゃ)、鶴首かぼちゃ、小菊かぼちゃ、バターナッツ、島かぼちゃ など
※ひょうたんのような形のものはまとめて『ひょうたんかぼちゃ』と呼びます↓
ちょっと使いどころが限られる
日本かぼちゃについてざっくり言うと下のような感じ
【難】煮崩れがしやすい。味がひかえめ。
西洋かぼちゃがほっくり系でしっかり固形っぽいのに対し、日本かぼちゃは水分が多くしっとりとなめらかなのが特徴。
生でもやわらかいものが多いので、丸ごとからでもカットしやすいのが利点(※硬いものもあります)。
一方、そのやわらかさゆえに煮崩れもしやすいのがネックなところ。身がしっかりしている西洋かぼちゃと比べると繊細なので煮物を作る際の難易度は上がります。もし煮物にしたい場合はしっかり面取り(※角をけずり取る)し、落とし蓋をして、加熱しすぎないように慎重に調理してみてください。
気を付けて作ったけど割れちゃった
よく高級店では黒皮かぼちゃの煮物を出したりすると聞きます。扱いにくい分プロ向けというか、上級者向けかも。ただ味はしみて美味しいので多少崩れても気にならないなら作る価値は十分あり。
ほか、つぶしてペースト状にする調理法が向きます。
・ポタージュ
・かぼちゃプリン
・かぼちゃ羊羹
…などであれば、味の調整もききやすいのでオススメ。
注意点は?
前の項目で大体書いたことと重複しますが、西洋かぼちゃほどのほっくり甘いイメージは持たないほうがいいです。
日本かぼちゃはやわらかく上品な甘み……と言えば聞こえはいいですが逆に悪く言ってしまうと
『水っぽく、味が薄い』
…ということになります。普段食べている西洋かぼちゃに舌が慣れていると物足りないというか、人によっては『まずい』と思ってしまうかもしれません。崩れやすく扱いづらいのも西洋かぼちゃにシェアをとられている原因でしょう。
ただ、かぼちゃは基本的に生では使いません。『料理に使うもの』です。素材そのものの味が薄くても調味料に助けてもらうという手があります。
特性を理解し、きちんと調理すれば美味しく食べることができます。上記で紹介したもののほかにも美味しい食べ方はあるでしょうから、他の人のレシピを参考にしたり自分でいろいろ試してみるといいと思います。
工夫次第ってことだね
まとめ
それじゃ、簡単にまとめてみよう
・えびすやくりあじといった、よく見かけるかぼちゃ
・煮崩れしにくく、味が濃いのでいろんな料理に使える
・硬いので切る際に注意
・黒皮や鶴首など個性豊かなかぼちゃ
・やわらかく、食感がなめらか
・煮崩れしやすいため、西洋かぼちゃより使える場面は限られる(ペースト状にして使うのがオススメ)
・甘みがひかえめなこともあり、調理に工夫が必要。味付けはしっかりめに。
大体こんな感じです。
それぞれの特徴を理解しておけば、料理するときに困らずに済みます。特に日本かぼちゃは食べる機会が少ない人もいるでしょうから、まだ食べたことの無い人は是非チャレンジしてみてくださいね。