『みかん』と『橙（だいだい）』の違いは何？

秋から春先にむけて、いろんな柑橘類がお店に並びます。その筆頭は『温州みかん（うんしゅうみかん）』。手で剥けてそのまま食べられる冬の貴重なビタミン源のひとつです。

一方、12月頃から『橙（だいだい）』という柑橘も見かけるようになります。

パッと見た感じが似ているので『普通のみかんと同じようなものかな？』と思うかもしれませんが、間違えて買ってしまうとちょっと大変かも……？

今回は『みかん』と『橙（だいだい）』の違いについて簡単に書いていこうと思います。

みかんと橙（だいだい）の違いは？

橙はとても酸っぱい！！

まず、いちばん最初に知っておかないといけないことがあります。

橙はみかんのような赤みのある色合いで一見よく熟れているように見えます（『橙色（だいだいいろ）』の由来となっているのがこの橙なのです）。なので、みかん（温州みかんやぽんかんなど）のように甘い味を想像するかもしれません。

しかしその実、橙はとっても酸っぱい柑橘。舌がしびれるような強い酸味を持っています。加えて柑橘特有の苦みが少しあるかなという感じ。甘みはほぼありません。

（※あくまで筆者個人的にかじって確認した感想を基にしています。甘みはもしかすると少しはあるのかもしれませんが、あまりに酸味が強いためおそらくわからないと思います）。

このように、酸味が強くそのまま食べるのに適さない柑橘類をまとめて『香酸柑橘（こうさんかんきつ）』と呼びます。例として最もメジャーなものは『レモン』。あとは『柚子（ゆず）』『すだち』『かぼす』『シークヮーサー』など。

冒頭で『みかんと間違って買うと大変』と言ったのはこのためです。このような酸っぱい柑橘は果汁を搾って料理などに使えるので決してムダにはなりませんが、甘いものを求めて買ってしまうとガッカリしてしまうでしょう。また、手軽に食べられるのがミソのみかんと違いこちらは加工の手間がかかります。なので、最低限『橙はすっぱい柑橘だ』ということは覚えておいて損は無いと思います。

ちなみに中身は意外と黄色い。また、種が多いです。

みかんは平たく、橙は丸い

味以外の部分にも少し触れておきましょう。

一見そっくりなこの2つの柑橘、よく見れば形が少し異なります。

これは温州みかんの例。少し平たく、下側が少しどっしりした形をしています。また、表面（輪郭）がふんわりとした印象。

こちらは橙。この写真だとちょっとわかりづらいですが、温州みかんと比べると高さがあり、丸みが強いです。輪郭がどちらかといえばオレンジに近いイメージ。

皮がしっかりしていて、触ってみると表面が硬いのがわかります。

みかんはこのやわらかさ故かあまり日持ちがせず、油断するとカビが生えたり傷んだりします。ですが、皮が硬い橙は比較的日持ちがするようです。

ただいくら日持ちがするとはいっても生ものですから過信せず、保存環境には注意したほうがよさそう。できるだけ涼しい暗所に保管してくださいね。

橙は12月をメインに出回る

温州みかんは大体秋～冬あたりに多く出回ります。ハウスみかんであれば夏でも入手が可能。

一方、橙は12月がほぼ最盛期。

何故かというと、

『橙は正月飾りに使うから』。

よって正月の準備としてちょっと早めに出回り始めるのです。

先ほど上げた写真だと葉は付いていませんでしたが、葉付きで売っているものもあります。

葉付きの例（ただ時間がたつとちょっとしおれてしまう）。

大きく、葉っぱ付きのものはけっこうお値段が張ります。正月は年に1度ですし見映えもするのでこだわりたい人はちょっと奮発して買ってみてもいいのではないでしょうか。

1月あたりに残っていたものがまとめて売っていることもあるので、絞って果汁を使う目的で買いたい場合はそちらもおすすめ（ただし在庫状況や地域などにもよると思うので必ずしも売っているとは限りません、ご注意を）。

まとめ

みかん（温州みかん）と橙（だいだい）の違いは、

• 橙は酸っぱく、そのまま食べるのには適さない（※最重要！）。ただし果汁は料理に利用できる
• よく見ると形が異なり、触った感触も違う。橙は硬め
• 温州みかんは秋～冬（ハウスみかんを合わせれば夏も）と出回る時期が長いが、橙は正月前後の時期のみと短い

……と、こんなところ。

いろいろ書きましたが、あくまで形状や出回る時期に関しては補足的なもので、最低限『橙はすっぱいのでレモンみたいなもの』ということだけ覚えておけばOK。くれぐれもみかんと間違えないようご注意を。もし間違えて買ってしまった場合は料理に使いましょう。例えば果汁をしょうゆと混ぜて酢じょうゆにすると鍋などに使えて便利です。美味しいですよ。ご参考までに。