豆には野菜と同様に生鮮食品として使うものと一旦乾燥させるものがあります。乾燥豆の例として『小豆』や『大豆』、『金時豆』、『花豆』などが上げられます。
今回はその中から『うずら豆』について簡単にご紹介しようと思います。煮豆の作り方の例も書いていますのでご参考にどうぞ。
うずら豆の特徴
うずら豆最大の特徴は見た目、模様にあります。

濃いめの茶色地に黒い不規則な模様が入っています。この見た目が『うずらの卵』に似ていることが名前の由来。

今は『うずらの卵』っていうと既に茹でたものを缶詰かレトルトで使うことが多いから、もしかすると殻の模様はあまり見たことが無いって人もいるかもしれないね。生のうずらの卵はどこにでもは売っていないけど、お店によっては卵のコーナーに置いてあるところもあるから気になったらチェックしてみてね

金時豆(大正金時)と同じ仲間ですが、こちらは小豆に似た赤紫色なので印象がだいぶ異なります。ただ形やサイズはよく似ています。どちらも大体1粒1gくらい。

似ている豆に『虎豆(とらまめ)』があります。こちらはもっと色が薄く、豆の半分は模様が無く白いので見分けるのは簡単。
甘煮を作ってみよう!
さて、乾燥豆の調理法として定番なのが『煮豆』。甘煮を作る手順について書いていきます。
※あくまで一例なので、人によっては手順などが異なります。

最初にざっくり材料と手順を書くとこんな感じ。
・うずら豆:1袋
・砂糖:うずら豆重量(乾燥時)の1/2~2/3(※好みで調整)
・塩:少々
【手順】
①水に漬けて一晩置く
②水から煮る
③水を入れ替えて更に煮る
④砂糖、塩を加えて少し煮る
では、もう少し細かく見ていきましょう。
水に漬けて一晩置く
まず豆を洗います。この時、もし割れて黒くなっていたりカビが生えていたりといったものがあった場合は取り除いておきます。
洗ったら、容器にたっぷりの水といっしょに入れ、一晩置きます。

乾燥豆は基本的に半日ほど漬けて水戻ししておく必要があるよ。前日の夜に漬けておけば次の日には使えるね
※小豆の場合は特殊で、水戻しせず使えます


水を吸うとけっこう膨らみます。重さは大体乾燥時の2倍くらい。

どの乾燥豆も水戻しすると大体2倍くらいになるんだ
水戻しが不十分だと煮るのに時間がかかります。表面の皮を見てしわが寄っている場合はまだ水戻し時間が足りないと思われるのでもう少し待ってみてください。
水から煮る

大きめの鍋に水戻しした豆と浸かるよりも多めの水を入れ、火にかけます。

今回は戻し汁はいったん捨てたけど、どっちにしても茹でこぼす(後述)ので一緒に入れてしまってもOK
そのまま沸騰するまで待ちます。
水を入れ替えて更に煮る
沸騰してしばらくするとアクが出てきます。

ここで、煮汁を丸ごと捨てます。火傷しないようにご注意を。
きれいな水に入れ替え、鍋にフタをして再び火にかけぐつぐつと煮ます。

今回2回入れ替えちゃったけど本来は1回で十分だと思う

あと、長い間煮るとお湯が蒸発して少なくなってくるよ。まだやわらかくなっていない内にお湯が少なくなってきたら焦げないように水を足してね
砂糖、塩を加えて少し煮る
豆の硬さを指で押してみたり実際に食べてみたりして確認し、やわらかくなっていたら砂糖を加えます。砂糖の量は人によっては甘すぎるかもしれないので、最初はちょっとひかえめに入れて調整するといいかもしれません。また、塩を少々加えると甘さが引き立ちます(しょうゆでもOKですが入れすぎると味に影響が出るので注意)。
調味したら仕上げに少し煮て完成。


うん、照りも良い感じ
豆の色がちょっと濃くなり、模様はあまり目立たなくなりました。ですがよ~く見ると少し残っているのがわかります。
ほっくりして甘く美味しい。できあがり直後も美味しいですが、少し時間を置くと味がなじみます。
乾燥豆から煮豆を作ると(コンロの火力や豆の鮮度によっては変わってくる可能性はありますが)大体1時間半~2時間くらいはかかります。上記のものはちょっと煮ている途中で用事ができたため一旦火を止めて外出してしまったのであまり正確な時間とはいえないのですが、合計で1時間40分くらいは煮ていました。
このように時間がかかるのがネックではあるものの、自分で作ることで量や甘さの調整ができるのでその点はメリットといえます。多めに作っておいてあとは冷凍してもOK。
うずら豆は大抵スーパーでも取り扱いがあるので意外と入手しやすい豆です。もしご興味がある方は是非チャレンジしてみてくださいね。
※ちなみに『金時豆』の煮豆の工程はこちら↓にあります(違うのは見た目くらいで手順はほぼ同じ)

25.05.30:全体的に構成見直し修正、画像を文字入のものに差替、虎豆の画像を追加