秋の味覚のひとつ『柿』。いろんな種類があり、時期によってお店に出るものが移り変わっていきます。
その中で特に目を引く柿に『富士柿』というものがあります。渋抜き柿の一種。今回は『富士柿』について簡単に書いていきたいと思います。
富士柿ってどんな柿?
まるで富士山のようなどっしりした形
横から見た富士柿です。
通常の柿は丸かったり少し角張ったような形をしていますが、尻の部分はあまりとがっていませんし種類によってはへこんでいます。
それと比べるとこちらは尻のほうがとがっており、円錐を逆さにしたような形。横から見ると三角形。この個性的な形が富士柿の大きな特徴のひとつ。
この形が富士山に似ている…というのが名前の由来だそう
確かにどっしりとしたこの形は山っぽい。
ちなみに『甲州百目(こうしゅうひゃくめ)』という別名があるのですが、おそらく一般的になじみのある名称は『富士柿』のほうでしょう。少なくとも私が知ってる限りではお店でもこの名前で売られており、『甲州百目』の名前は見かけません。
ほかの柿と比べると、果皮に黒い傷がよく見られます。むしろ傷のないもののほうが珍しいかもしれません。
ですが剥けば中身はきれいですし、特に食味に問題は無いので特に心配しなくて大丈夫。
断面。ハートのような形をしています。
果肉はゴマがほとんど入らずきれいな見た目。
渋抜き柿はゴマがあまり見られず果肉の色がきれいなのですが、富士柿も例に漏れずといった感じですね。
種はこんな感じ(上写真はちょっと時間がたってしまって乾燥していますが……)。通常の柿と比べると長くてスリム。
一応種の話はしたのですが、実際スーパーなどで売っている富士柿に種はあまり見られません。たまに少し種があるくらいかな?という印象。ごく小さい種が入っていることもあり。
※ちなみに…
尻がとがっている柿に『筆柿』というのがあります。名前の通り筆の先に形が似ていますが、富士柿と比べるとサイズが小さく、かなりほっそりしています。
かなりのビッグサイズ!
もうひとつの特筆すべき特徴は『大きさ』です。
通常の柿と比べるとかなり大きく、手に持つとずっしりと重みを感じます。大きいものだと500gくらいはあります。りんごや梨よりも大きい、まさにビッグサイズ。
ものによるので中には小さいものもあるのですが、それでも普通の柿よりは大きいですよ。
甘く、しかしさっぱりめの味
甘みは強いのですが、後に引く甘さというよりは後味のさっぱりした甘さ…でしょうか。元々は渋柿なのですが、渋は抜いてあるので渋みはほぼ感じません(※渋柿は若干渋みの名残のようなものが残っているものがあるため、特に味覚に敏感な方はもしかしたら少し渋みを感じる場合もあるかもしれません)。
初めのうちは少し硬いこともあるものの、食べ頃のものはやわらかく果汁もしっかりあり、口当たりがなめらか。特に繊維が口に残ることもなく食べやすいです。
もしまだ硬い場合は少し追熟を待ってみてもいいかもしれません
富士柿は少し出回り始めるのが遅いです。大体11月くらいにたくさん見かけるようになるでしょう。
大きさゆえに少し価格はお高めになります(小さいものだと200円くらいかな?)が、食べ応えがあるおいしい柿ですので、時期になりましたら是非ご賞味ください。それでは。
23.09.05:全体的に構成の見直しをしました。