もうだいぶ前のことになりますが、買ったさつまいもをトースターで焼いていたところ、家族が『芋、傷んでない?』と聞いてきました。『傷んだ芋の匂いがする』と……。おや?と思い、自分も近づいて匂いを確認してみたところ、
しっぶ!!!
…変な匂い……苦いというか、渋い匂い。ずっと台所にいたんですが何故か気づきませんでした。料理中で換気扇の下あたりにいたのでそのせいかもしれません……。
ということで、今回はこういうことを少しでも避けるべく、傷んださつまいもを見分けるコツについて書いていきます。
傷んださつまいもの見分け方は?
表面のハリや色を見ること!
まず、お店で選ぶ時点でわかりやすい部分から紹介していきます。
買うときには最低でも下の2つは確認するといいかな
まず『表面にハリがあること』。これは食品全般に言えることですが、ちょっとシワがよっていたりしたら要注意。
次に『表面に黒い部分が無いかどうか』。『表面に黒っぽく染みたような跡があるもの』は要注意(※黒っぽい部分がある。というだけならヤニの可能性があるためそちらは大丈夫です。見分け方については後述)。
ちなみに傷んでいる……とはまたちょっと別ではあるのですが、『カビが生えていない』ことも確認が必要。特に端の切り口は水分が多く、カビが生えやすくなっています。入荷したてのものなら問題無いと思いますが、数日売れ残っているものの場合長期間ビニールの中に入っているため湿気でカビている可能性があります。カビはどのくらい中に浸透しているかわからないので切り取って食べるのもあまりおすすめしません。
このあたりは購入時に袋の外からでも確認できる情報ですので最低限チェックした方が良いと思います。
ただ、上3つをクリアしていても切って中を見てみたら状態の悪いものだった…ということもあるよ。あくまで『最低限ここは押さえていた方が傷んだものを買ってしまうリスクを減らせる』くらいに考えた方がいいかも。
断面やにおいを確認する(※購入後)
次に、購入後の確認手段について。ひとつは『果肉の色』、もうひとつは『におい』です。
例えば傷んださつまいもの断面はこんな感じ↓
写真だと茶色い斑点が入っています。ものによってはもっと全体的に茶色くなっていることもあり。
料理に使う場合はカットするのでその時点で中身の状態がわかります。果肉がこのような状態になっている場合はその芋は使うのをひかえたほうが良いでしょう。
焼き芋の場合は丸ごと焼くので、気づかずに焼いてしまうこともあるかもしれません。前述の見た目の特徴で確認しておけばそうそう当たることは無いとは思いますが、もし心配な場合は、端を少しだけ切って確認してみてください。きれいな色をしていれば問題ありません。上記のように茶色くなっていたら傷んでいます。においも切り口を嗅いでみると渋いです。
また、冒頭でも触れたことなのですが傷んでいるものは加熱途中で渋い嫌な匂いがします。おそらく加熱時の水蒸気と一緒ににおいも外に流れやすくなっているのではないでしょうか。けっこう臭いのでそこでも気づきやすいと思います。
ちなみに腐ってべちゃべちゃしてる芋も変な匂いがするけど、あっちは段違いに臭い。如何にも『腐ってる』って感じのにおいで不快度合いが段違い。それと比べるとこっちの苦い匂いはまだマシなほうだと思う
ヤニでできた黒と間違えないように注意!
先ほど『表面が黒くないかどうか』という話をしました。ここでちょっと注意しないといけないのが、
『さつまいもが黒っぽくなる原因は2種類ある』
……ということ。
『傷んで黒くなっているもの』の他に『ヤニが固まって黒くなっているもの』の場合があります。ヤニの場合は芋の品質に問題は無いため使っても大丈夫。
傷んでる芋との見分け方を見てみよう
まず、傷んでいる芋の例↓
おわかりになるでしょうか?芋の端が少しシワが寄り、濃い色に変色しています。
この部分を切ってみると、
……この通り、中身は傷んでいます
よって、上記のように『染みたように黒っぽくなっているもの』は要注意です。
次に『ヤニが固まって黒くなったもの』を見てみようか
こちらはヤニが固まったもの。特定の場所にアメのように固まっているのが特徴。先ほどの傷んだものと比べると黒い部分がハッキリしているのでわかりやすいはず。
上写真はヤニ部分が割と平たいのですが、ものによってはダマみたいに固まっている場合もあります。
カットしたときに出てくるこの白い液体。
一般に『さつまいものヤニ』と呼ばれるものはコレです。切った直後は白いのですが、空気に触れているとだんだんと黒くなります。
ヤニが原因の場合、中身は特に問題ないので大丈夫です。皮ごと使う場合はそこだけ皮ごと取り除いて使うと良いでしょう。
さつまいものヤニは付いたまま放置すると固まっちゃって洗ってもなかなかとれなくなるよ。そうなると後が大変だから、包丁やまな板を使った時はすぐに洗ってね
一部が傷んでても他の部位がきれいなら大丈夫?
酷い場合は果肉全体が茶色くなってしまっていますが、中には『端っこ(または一部)だけ果肉が茶色いけれど他は普通にきれいな色』なものもあります。ではこの部分は使って大丈夫でしょうか?
う~ん……正直あまりオススメはできないかなぁ……
あくまで個人的な経験上ですが、一部だけでも傷んでしまったさつまいもは全体的に渋みが残っていることが多いです。一見きれいに見えても実際料理してみると苦い……ということもありました。味に関してはあまり期待しないほうが良いかと思います。
どうしても使ってみたい場合は料理に使うより丸ごと焼き芋にしてみることをおすすめします。もし料理の具として使って苦みや渋みが出てしまったらリカバリーが効かないので、手間の少ない焼き芋のほうがまだ失敗した場合のダメージが抑えられると思います。
傷むのをできるだけ防ぐには……?
さつまいもやじゃがいもなどは基本的に常温保存になります(冷蔵庫だと温度が低すぎるため低温障害を起こします)。
購入したら必ずビニール袋から出し、紙袋に入れたり新聞紙にくるんだりして涼しい場所に保管することをおすすめします。万一湿気で芋が濡れている場合は新聞紙の上などで乾かしてから保管してください。
ちなみに傷むのは防げるけど芽はどうしても生えちゃうから、どちらにしてもできるだけ早めに食べてね
簡単にまとめると……
最後に簡単にまとめておこう
②変な匂い(渋い匂い)がしないかチェックする
③一見きれいな果肉でも一部が傷んでいたら渋い可能性があるので注意
④黒っぽくても『ヤニが固まったもの』なら中身は傷んでいないので大丈夫
⑤買ったらすぐ紙などにくるんで保管(できるだけ早く食べる)
……と、こんな感じでしょうか。
参考になりましたら幸いです。
21.02.22:固まったヤニの写真が撮れたので追加しました。
23.12.14:写真を2枚追加。全体の構成を変更、項目の追加。
24.12.13:全体の構成を少し変更