いろんな『じゃがいも』~どんな特徴があるの?~

いろんなじゃがいも

料理に使う芋の定番、『じゃがいも』馬鈴薯(ばれいしょ)とも呼ばれます。

肉じゃがや味噌汁などの和食はもちろん、ポテトサラダやシチューなどの洋食ほかいろんな料理に使える万能の芋です。自炊をするなら買っておいて損は無いでしょう。

さて、そんなじゃがいもですが、品種によって特性が異なります。主にホクホク系の『粉質』、ねっとり系の『粘質』に分けられ、粉質はマッシュ系、粘質は汁物や煮物などに向いています。料理によって使い分けるのがポイント。

※粉質と粘質を粉吹き芋と白煮で比較した結果がこちら↓

じゃがいもの『粉質』と『粘質』~調理結果にどう影響する?~
ジャガイモには品種によって『粉質』のものと『粘質』のものがあります。前者はホクホクしており粉吹き芋やポテトサラダに向き、後者は崩れにくいので煮物などに向くとされています。

では、例えばどんな品種があるのでしょうか?

今回はわたしが使ったことのある品種からいくつか紹介したいと思います。

じゃがいもの品種にはどんなものがあるの?

男爵(だんしゃく)

男爵いも

『粉質』の特徴を持つ、じゃがいもの代表格のひとつ。『男爵いも』と呼ばれています。

ほっくり系で、ポテトサラダや粉吹き芋、マッシュ系の料理向き。特に粉吹き芋にするときめが細かくきれいに仕上がります。

汁物や煮物にする場合、煮溶けやすいため注意が必要。使う場合は落とし蓋をしたり長時間茹でない(火が通ったらすぐ止める)などの工夫をすると良いでしょう。

うめ
うめ

煮物に使うとほろほろ崩れやすいからちょっと食べづらいかも。でも味がしみてこれはこれで美味しいからそこは好みかな……

表面がゴツゴツしており目が深いので、ものによっては皮剥きや芽とりがちょっと大変かも。

メークイン

メークイン

『粘質』じゃがいもの代表格。男爵と合わせて2大品種と言ってもいいでしょう。

果肉がしっかりしていて長時間茹でても煮崩れがしにくいのがメリット。味噌汁やシチューの具、肉じゃがなどに使うとほぼ形を保ったままきれいに仕上がります。

やまも
やまも

下処理が楽というのもメリット

男爵と異なり、楕円形で凹凸が少なく、目が浅いです。なので皮剥きや芽取りなどがしやすいのも良いところ。

ニシユタカ

これもけっこう見かける品種。

丸っこく、男爵寄りの見た目ですが、粘質でくずれにくい。あまりゴツゴツはしていないので皮をむいたり芽をとったりの作業は男爵よりはしやすい印象です。

キタアカリ

こちらもたまに見かける品種。

これも丸っこく、粘質でくずれにくいのが特徴。ニシユタカと似たような感じ。

ホッカイコガネ

漢字で『北海黄金』。また『コガネメーク』の異名を持ちます。

メークインと似て楕円形でなめらかな輪郭。粘質でくずれにくく、使用感もほぼメークインに近い感じです。

デジマ

デジマ(じゃがいも)

この品種の取り扱いは地域によるかもしれません(わたしの住んでいる九州某所ではたまに見かける印象)。

丸っこいですが目が浅いので処理はしやすい。

デジマ(じゃがいも)断面

果肉はちょっと黄色みが強いです(といっても『インカのめざめ』や『アンデスレッド』ほどの濃い色ではありません)。

粘質で崩れにくく、煮物や汁物向き。

やまも
やまも

マッシュしたものはしっとりねっとりしてる

※デジマ単独記事はこちら↓。ニシユタカとの果肉の比較もこちらに載せています

じゃがいも『デジマ』~特徴や適した調理法は?
じゃがいもの一種『デジマ』。丸っこく、果肉が少し黄色いのが特徴。また、煮崩れがしづらく、汁物や煮物に◎。ポテトサラダにするとしっとりした仕上がりになります。

べにあかり

べにあかり

『紅(べに)』の名の通り、皮が赤いのが特徴。

あまりゴツゴツはしていないので処理はしやすいです。

べにあかり断面

皮の色は濃いですが、果肉は白っぽい色です。

粉質で、マッシュするとホクホクに仕上がります。

一方、長時間加熱すると煮溶けてしまうため、汁物に使う場合は少し大きめに切り、火が通った後はあまり長く茹でないことをおすすめします。

※べにあかりの個別記事はこちら↓

皮の赤いじゃがいも『べにあかり』~特徴や適した調理法は?
名前に『紅(べに)』と付いている通り、皮が赤っぽいじゃがいも。果肉は白っぽい。粉質のいもで、粉ふきいもやマッシュポテトなどに向きます。一方煮物にはちょっと厳しめ。

アンデスレッド

アンデスレッド

こちらも皮が赤いじゃがいもです(上写真は洗った後なので赤みが強いですが乾燥したものだともう少しくすんだ色をしています)。

アンデスレッド・果肉

べにあかりと大きく異なる点として果肉の色が濃く、黄色をしているということがあげられます。また、その中に赤色が混じっているのが大きな特徴。こういった果肉のものは普段見慣れていないのでちょっと心配かもしれませんが、このまま使って大丈夫。潰すと目立たなくなります。

うめ
うめ

ちなみに皮が紫色のじゃがいももあるんだけど、これも品種によって果肉の色が違うよ

粉質でかなりくずれやすく、茹でると煮溶けてしまいます。汁物ならまだ大きく切って使えば何とかいけますが、煮物だとちょっと厳しいかも。

マッシュ系にはかなり向いていて、ほっくりというよりふんわりとした仕上がりになります。

※アンデスレッド単独記事はこちら↓。マッシュしたものや茹でたものの写真も載せています

赤いじゃがいも『アンデスレッド』~特徴や食べ方を見てみよう~
皮が赤いじゃがいものひとつ。果肉は黄色く、ところどころ赤紫色が入っているのが特徴。かなり粉質みが強く、ホロホロとして舌触りが良いマッシュポテトが出来ます。ただし煮溶けやすいので煮物や汁物だとかなり厳しめなので注意。

体感、今回紹介している芋の中でいちばん崩れやすいように思います。

インカのめざめ

インカのめざめ②
インカのめざめ・断面

サイズがちょっと小さめのかわいい芋。果肉が黄色いのも特徴のひとつ。

生で切った時にほかのじゃがいもと比べてちょっと硬い印象。

ちょっと独特の風味を持ち、栗っぽいような不思議な味。ただじゃがいもっぽさもしっかり残っていて、クセもそこまでありません。

粘質で煮崩れしにくく、果肉が黄色いため出来上がりがほかの芋より鮮やかに感じます。

やまも
やまも

塩を振っただけでも美味しい

※インカのめざめ単独記事↓

『インカのめざめ』ってどんなじゃがいも?特徴や食べ方を見てみよう
『インカのめざめ』黄色の濃い果肉を持つちょっと栗っぽい独特の風味を持つじゃがいも。ですがクセは強くなく、煮崩れがしにくいためいろんな料理に使えます。ふかしてシンプルに塩などで食べてもOK。

まとめ

やまも
やまも

けっこうバラバラに紹介しちゃったから、最後に特性が近いものでまとめてみよう

【粉質】ポテトサラダやコロッケなど潰して作る料理に向く
・男爵(だんしゃく)
・べにあかり
・アンデスレッド
……など
【粘質】汁物や煮物などに向く
・メークイン
・ニシユタカ
・キタアカリ
・ホッカイコガネ(北海黄金)
・デジマ
・インカのめざめ
……など
やまも
やまも

んー、こう見ると粘質じゃがいものほうが購入機会多そう

うめ
うめ

万能性はどっちかといえば粘質のほうが高いかもしれないね

とりあえずまずは男爵とメークインだけ覚えておけば十分です。あとは地域やお店の取り扱いによるでしょうから、もし見かけて気になれば購入して試してみてください。何の料理に向くか、というのはパッケージやお店のポップなどに説明が書いてあることも割と多いので、迷った時はそこを見ればOK(※あくまでお店によるので無い場合もあり)。

以上、じゃがいもの品種についてのまとめでした。ほかにも記録をあまり残していなかったり1回しか使ったことがなかったりで除外したものもあるので、今後また機会があれば追記したいと思います。

参考になりましたら幸いです。

※最後に……じゃがいもの芽や緑の部分は食べないように注意してくださいね!

危険!じゃがいもの芽+緑の部分 ~対処法や予防について~
じゃがいもの芽や緑色になった部分は、まだ初期の段階であれば該当部分を完全除去すれば食べることができます。逆に、芽が成長している・緑が濃くなっているものはやめておいたほうがいいでしょう。
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