冬の寒い時期から春にかけて多く出回る柑橘類。温州みかんを筆頭にたくさんの種類があります。
中には輸入物もあり、代表的なものであれば『バレンシアオレンジ』『グレープフルーツ』が上げられます。ほかにも『ミネオラ』『マンダリンオレンジ』など様々。
その中に『オロブロンコ』という大きめの柑橘があります。グレープフルーツとサイズ感が似ているのですが色味が異なるため、
『すっぱくないのかな?』
『どう食べたらいいのかな?』
……と、疑問を持つかもしれません。
今回は『オロブロンコ』の特徴や味、食べ方について書いていこうと思います。
『オロブロンコ』って何?
時期によって緑→黄色になる柑橘
オロブロンコは時期によって色が異なります。
まず比較的早く出回ってるオロブロンコ。きれいな緑色で光沢があり美しい見た目。
上写真は12月と書いてますが撮影が1日なのでかなり早めです。12月でも後半ならばもっと黄色みが出てくるかと思われます。
しっかり緑色だから食べられるのか心配になるかもしれないけど、この段階でも食べられるからご心配なく
ただ少し酸味は強いのでその点はご注意くださいね
そしてこちらが黄色くなったオロブロンコ。ものによっては少し緑が残ってたり完全に黄色だったり。
文旦やグレープフルーツと比べると比較的色が鮮やかです。
1~2月に見かけるものはもう大体このような色合いだと思います。
このくらいになると酸味はだいぶ落ち着いてきます。
できるだけすっぱくないものを…とお考えの方は黄色いものが出回り始めるまで待ってみるといいかもしれません。
断面はこんな感じ。果肉はやさしい透き通った黄色。
文旦やグレープフルーツなどポメロ系の色ですね。
皮はかなり厚い
先ほどの断面の写真でおわかりになるかと思いますが、皮がかなり分厚いです。
剥くとこんな感じ。
なので、見た目の大きさに反して食べられる部分は意外と少ないです。1人で食べても問題無いくらいの量だと思います。
『スイーティ』や『メロゴールド』との関係性
よく似ている柑橘で『スイーティ』『メロゴールド』があります。
『スイーティ』は呼び方が違うだけで『オロブロンコ』と同じものになります。スイーティの名称はイスラエル産のものなので、オロブロンコほど見かける機会は無いかもしれません。
『メロゴールド』は品種としては近いのですが別品種で、オロブロンコよりちょっと大きめ。食味は似ています。
また、『オロブランコ』と呼ばれていることもあります。
『オロブロンコ』と『オロブランコ』
…ちょっとややこしいなぁ
外国語の発音を日本語に直すとどうしてもそういう部分が出てきますね……
通じればどちらで呼んでもいいんじゃないでしょうか、どちらが正解ということも無いと思いますよ
(※一応検索してみたところ『オロブロンコ』のほうがヒット数は多いようなので、おそらくこちらの呼び方のほうが主流かと思われます)
ほぼ輸入品としての入手
スーパーなどで入手できるオロブロンコはほぼ輸入品となります(産地はカリフォルニアなど)。
ネット検索してみたところ、国内栽培しているところもけっこうあるようです。ただ、よほど大きいお店や地元に農園があるなどの要素がなければ通常のお店で購入するのは難しいように思います。
輸入柑橘は国内に輸入するにあたってイマザリルなどの薬品が使われています。なので、食べる前に食品用洗剤で洗うなどの下処理をおすすめします。また、皮の厚い柑橘はピールなどに加工することがありますが、輸入品の場合は洗っても皮に農薬がどのくらい残っているのかわからないため、個人的には皮を食用にすることはおすすめしません。
ん~、もし輸入産だと気になる場合はネット通販に頼ることも検討したほうがいいかも
(通販の場合は信頼できるところから購入するようにしてくださいね)
さっぱりめの甘みと苦みがマッチした味
さて、いちばん気になる食味について。
味はさっぱりめの甘みとほどよい酸味、ポメロ系特有の苦みがあります。先ほども少し触れましたが、緑色のものはまだ少し酸味が強め。黄色になると落ち着いた味になります。苦みはどちらもそこまで変わらず、少し後まで舌に残る印象。ただし、薄皮(じょうのう膜)および白いワタ部分が特に苦いため、ここを除いて果肉のみ食べればそこまで苦くはありません。
果肉はとてもやわらかく果汁をたっぷり含み舌触りもいいです。
薄皮ごと食べられなくもないのですが、ちょっと硬い上に苦いので、より美味しく食べたい場合は取り除くことをおすすめします。
『オロブロンコ』の食べ方は?
ではオロブロンコはどのように食べればいいのでしょうか。
個人的な感想として、どうも他の文旦やグレープフルーツなどの似たタイプの柑橘と比べるとちょっと食べづらいように感じます。原因は『果肉のやわらかさ』。いくつか購入してみましたがどれもやわらかく崩れやすい。
いくつか食べ方を試してみた上でコツなどについて考えたりしているのでご参考にどうぞ↓
薄皮を剥いて食べる
まず薄皮を剥く方法。皮が分厚く、薄皮も硬い場合はよくこの剥き方で食べます。
ただ中の果肉がやわらかすぎると崩れてしまうためなかなか難しいです。
果肉がしっかり形が残ってプリプリしているものであればまとめて全部剥いてしまうということが可能なのですが、このような柑橘で行うとおそらくボロボロになってしまうでしょう。
小袋に切り込みを入れるのみor上写真のように片側だけ剥いておいて、各自食べる時に剥きながら食べるとよさそうです。手が果汁で汚れやすいのでお手拭きなどご準備ください。
※大きい柑橘の剥き方についてはこちら(薄皮は剥けないですが外側の皮の剥き方はこれでいけると思います)↓
オレンジのようにカットする
次に『オレンジのようにカットする方法』。
オレンジより皮が厚く、薄皮も硬いので(特にこの状態だと2枚重なっているのでなお硬い)普段であればあまりおすすめはしない方法。試してみた感じ、歯でうまく絞りながら果肉部分だけ食べればいけます。ただコツは必要かなという印象。
半分にカットしてスプーンで食べる
あと『半分にカットしてスプーンですくって食べる』方法。よくグレープフルーツでやりますが、薄皮が硬いほかの柑橘でもいけます(薄皮がやわらかいと破けるのであまり向きません)。
やってみたところ、果肉が潰れやすく、また外側と果肉がくっついていて取りづらいのでちょっと勝手が悪いかなと思いました。あと果汁が多いため跳ねやすいです。
ただ、他2つの方法と比べるといちばん苦みを感じなかったのはこの方法です。おそらく皮やワタ部分が口に入ることが無いからであると思われます(薄皮を剥く方法だとどうしても外側の皮がちょっと残りやすいのでそれが原因で苦みが生じる)。
もしこの方法で食べる場合は『できるだけ小さいスプーンを使うこと』や『汁が跳ねるので服に付かないように注意すること(前掛けやエプロン推奨)』を心がけるとよさそう。
……と、とりあえず3パターン試しましたが、どれもちょっとコツがいる印象を受けました。あえて中でいちばんやりやすいのは最初の『薄皮に切り込みを入れて各自剥きながら食べる』かなぁと思います。
どれがやりやすいかは人によると思うので、実際に試してみて自分に合った方法を見つけてください……
文旦やグレープフルーツと似ているけれどちょっとひと味違う柑橘、ご興味ある方は是非ご賞味くださいね。