初春に出回る柑橘の一種『ミネオラ』。少し変わった形のオレンジのような柑橘で、『オレンジと何が違うのかな……?』と思うかもしれません。今回はミネオラについて、オレンジとの違いも見ながら特徴や食べ方などを書いていこうと思います。
ミネオラの特徴は?
ヘタ部分がポコッと出ている


左写真はミネオラを横から撮影したもの。一部ポコッとコブのようなものが飛び出ています。ここはヘタがあるところ。ネーブルやバレンシアといったオレンジ類はそのようなコブはなく丸い形をしているので、ここが最大の違いと言えます。


縦切りの断面の比較。ミネオラのコブ部分がはっきりわかります。それ以外は割と似ていますね。

コブ部分があるからミネオラのほうが縦長く見えるんだけど、中身を見てみると割とそうでもないな……


ついでに別向きの断面。こっちはソックリ。種はあまり見られず。
同じようにコブがある『しらぬい』

そういやコブがある柑橘って他にもない?

これは『しらぬい』という柑橘。日本ではよく見かけるものなので、コブがあるといえばこっちを連想する人が多いかも。少し似ていますが別物で、比べてみるとミネオラよりちょっとゴツゴツしています。

今回上げている写真はとりわけコブが立派なのでわかりやすいですね。ミネオラもしらぬいもコブの大きさには個体差があるので、中にはあまり目立たないものもありますよ。
正確にはオレンジではない
『ミネオラオレンジ』という名称で販売されていることも多いのですが、厳密に言えば『オレンジ』ではなく『タンジェロ』という分類になります。タンジェロというのは『みかん系と文旦系を掛け合わせた品種の総称』です。
ちなみに、日本で購入できる他のタンジェロには『セミノール』があります。


こっちは温州みかんっぽい見た目。けっこう種が多いです。

甘みが強いものからすっぱいものまで…
オレンジ同様、味が濃いです。ただ、あくまで経験上ですがオレンジと比べると甘みが強いものとすっぱいものにかなり差があるように感じます。22年度に購入したものはかなりすっぱく、生で食べるのに少し苦労した記憶があります。ですが、23年度に購入したものは全て甘みが強いものでした。21年以前に購入したものは甘みもあるもののちょっと酸味が強めでした。
こう言うと言い方がよくないかもしれませんが、ちょっと当たり外れが激しいのかな…という印象。
(※わたし個人が今まで購入したものがたまたま運悪くすっぱいものが多かった、という可能性もあります。あくまで感想のひとつ程度に考えていただければと思います。)

見た目では判断ができませんので、買って食べてみるまでわからないですね……
甘みが強いものはまったりとした甘みで、酸味はあまり気になりません。オレンジとは少し違う風味を感じます。酸味が少し強いものは後味に残る感じがあります。
苦みは特にありません。薄皮はやわらかく、果汁が多めで口当たりがよく、種もあまり無いため特段すっぱいものに当たらなければ食べやすいです。
かなりすっぱいものに当たった場合、無理して食べるのももったいないので、酸味を活かしてジャムやゼリーにしてみてもよさそう。すっぱいものは砂糖などの甘みとの相性が良いですからね。
ミネオラの食べ方は?
手で剥くこともできる
オレンジとイメージが近いミネオラですが、手で剥くことができます。

ヘタ部分の飛び出た部分に爪をたててもぎ取り、そこから剥くと上写真のように剥けます。皮は比較的剥がれやすいので剥くのは難しくはないでしょう。一応反対側(尻部分)からも剥けるには剥けますが、皮が少し硬いため力が必要です。爪が痛くなるのであまりおすすめしません。
薄皮は薄くやわらかいのですが、小房に分けられるくらいの強度はあるので、破れて形が崩れるような心配はありません。
カットして食べてもOK
オレンジと同じように切って食べることもできます。手間じゃ無ければこちらの方法でもいいでしょう。

まず、手で剥く場合と同様最初にヘタ部分のコブを切り取ります。

コブを取ったら上の画像のように切り分けていきます。


皮と内側はあまり強くくっついていないので、間に切り込みを入れるかどうかはお好みで。

たまに頭のコブが目立たない丸いものもあるから、その場合は切らなくてもOK。
もしフルーツサラダやデザートに利用する場合、縦向き8等分から皮を切り離すときれいにできますので、是非チャレンジしてみてくださいね。
23.02.15:全体的にリニューアルしました。
23.06.28:味についての記載修正、食べ方について追記しました。