春頃に出回る柑橘の一種に『セミノール』というものがあります。見た感じみかんにそっくりなので、『どこが違うんだろう?』と思うかもしれませんね。
今回は『セミノール』について、見た目や味の特徴・食べ方について簡単に書いていこうと思います。
セミノールの特徴を見てみよう
温州みかんっぽい見た目とサイズ感

冒頭で書きましたが、一見温州みかんのような少し平たい形をしています。
大きさもそこそこ近いです。たぶん温州みかんのM~Lくらいのサイズかなと感じます。
温州みかんは少し果皮がデコボコしているのですが、セミノールの場合は比較的表面がなめらかです。写真だとちょっと分かりづらいかもしれませんが、実際に触ってみると違いがよくわかるので入手された際には是非表面をなでて確認してみてください。
色は赤みのあるオレンジ色で、発色が良くきれいです。

ちなみにこちらは2019年に購入・撮影したものです。このようにたまに色ムラがあります。
(購入して少し時間がたってしまったものなのでもしかしたら管理状態の問題かもしれませんが……。)
ただ色ムラがあってもそこまで気にするほど中身に違いは無いように思います。
中身もみかんっぽい

こちらは断面。中心に少し空洞ができています。


比較として温州みかんとネーブルオレンジの断面の写真を上げてみました。
オレンジは中心まで身が詰まっているのが特徴。こう見るとやっぱりみかんっぽいですね。
味が濃く、やわらかい食感
味もみかんと似ています。酸味がけっこうあるのですが甘みもしっかりあるため特段すっぱいと感じることはなく気になりません。全体的に味が濃い感じです。苦みは特になし。
果肉がやわらかく、薄皮も薄くやわらかいため口の中に残りません。果汁をたっぷり含んでいることもあり舌触りが良いと感じます。

味はみかん寄りだけど部分的にはオレンジっぽい感じもあるかな?
ただし種が多いので、飲み込まないよう注意してくださいね。
セミノールの食べ方は?
簡単な食べ方として『手でむく』か、『オレンジのようにカットする』方法があります。
それぞれの食べ方とポイントについて見てみましょう。
手でむく
まず手でむく方法。これも温州みかんと同じ食べ方ですね。
道具が必要無いという点がいちばんのメリット。

こんな感じでむけました。

ちょっと見た目汚くなっちゃったけど人によってはもっときれいにむけるはず…たぶん
というのも、セミノールは
…という特徴があります。
そのため、剥くのは可能ですが温州みかんほど剥きやすくないです。ちょっと根気が必要。皮を剥く際手に力を入れすぎて中身が潰れてしまうこともあるのでご注意ください。
また、薄皮があまり丈夫ではないので、小房に分ける時に少し破れてしまうかもしれません。これに関しては自分で食べるなら特に気にするほどのことではないとは思いますが、汁が飛ぶかもしれないのでもし心配な場合はエプロン等を準備したほうがいいかも。
また、『小房はしっかり分けて食べる』ことをおすすめします。
みかんはそこまで大きくないため、全部小分けにせず適当に割って塊のまま食べるという人もいらっしゃるのではないかと思います。種の無いみかんであれば特に問題無いのですが、セミノールの場合は『種が多い』という特徴があります。みかんと同じ感覚で一気に口に含んでしまうとそれだけ多くの種を口から出さなければならず苦戦することになってしまうので、ちょっと手間ですがきちんと分けて少しずつ食べた方が楽に食べられます。

せっかくおいしい柑橘なので、できるだけ『食べづらい』とストレスを感じるようなことは避けたいですね。
オレンジのようにカットする
もう一つの手として『カットする』という方法があります。

こちらは縦に8等分にしたもの。皮と中身の間に切り込みを入れています。
ネーブルオレンジなどは皮が剥がしやすいので切り込みは入れても入れなくてもいいのですが、セミノールの場合は剥がしづらいので入れた方が食べやすいと感じます。

こっちは6分の1。4分の1だと分厚くて食べづらかったので6~8分の1くらいでちょうどいいんじゃないかと思います。
なお、最初から縦ベースではなく一旦横向きにカットしてから同じように分けると下のようになります。(撮り忘れたので例としてカラマンダリンの写真を出しています)

セミノールの場合、個人的にですがこっちの切り方はあまりオススメしません。
先ほども書きましたが、皮が内側と強くくっついている上にボロボロと崩れやすいため、食べている途中に皮がちぎれます。正直食べづらいので、カットして食べるのであれば縦切りを推奨します。

あくまで筆者が実際試してみてそう感じたからその方がいいのではないか、という感想なので、人によっては違うかもしれません。
参考となれば幸いですが、それにとらわれずにそれぞれの食べやすい方法で食べてくださいね。
ほか、果汁が多めなので絞り器があるならばジュースやゼリーなどに加工してもよさそう。たくさん入手できた場合は試してみてもいいかもしれませんね。
オマケ:ミネオラと比較してみよう
セミノールは柑橘類の中でも『タンゼロ(またはタンジェロ)』という『みかん×(文旦やグレープフルーツなど)』の組み合わせから生まれたものになります。同じくタンゼロで日本内で流通している(といってもこちらは輸入物ですが)柑橘類でよく見かけるのが『ミネオラ』。



全然違うや……
頭の部分が少し飛び出た変わった形をしています。断面はオレンジ寄り。
こちらも味が濃く、おいしい柑橘です。ミネオラも春あたりによく出回るため、ご興味のある方は探してみてくださいね。
ミネオラについてもう少しくわしく書いたのがこちらです↓

23.06.28:画像の追加など23年版として全体的にリニューアル。