乾燥豆のうち『金時豆(大正金時)』『うずら豆』といったものはよくお店で見かけます。ですが、一風変わった『虎豆』という豆もあるのをご存じでしょうか。
今回は『虎豆』について簡単に書いていこうと思います。
虎豆の特徴
虎豆の大きな特徴は見た目(模様)にあります。

虎豆は他と比べても特に個性的で、
②豆の半分が白っぽい
この見た目が虎に似ているから虎豆。名前そのまんまということですね。
模様がある豆といえば『うずら豆』というものもあり、少し似ています。

ただしこちらは全体的に色が濃く、さらに虎豆と違い全体に模様があるのが特徴。
名前の由来はこちらもそのまんまで、『うずらの卵』に似ているから。
虎豆もうずら豆もいんげん豆の仲間。その中で代表的な乾燥豆といえば『大正金時』で、いちばん入手しやすいのもこちらです。

大正金時は小豆と似た赤紫色をしているので前2種とは印象がかなり異なります。ですが形やサイズは似通っており、どれも乾燥時の1粒の重さは大体1g、吸水後は2gほどとなっています。
甘煮を作ってみよう
では、虎豆の甘煮を作ってみましょう。ほか2つの時と手順はほぼ同じなのですが今回はちょっと正直反省点も多かったので、それも交えて書いていきますね。
豆を洗い、一晩水に漬けておく
まず豆を洗います。あまり無いとは思いますが、万一割れて黒くなっていたり傷んでいそうな豆があればこの時点で取り除いておいてください。
洗ったらたっぷりの水といっしょに容器に入れ、一晩漬けておきます。

今回はボウルに漬けておいたけど、大きめの鍋に漬けておけばそのまま使えるからそれでもOK
虎豆の吸水途中の状態についてはこんな感じ↓

まだ2時間後の状態。皮がふやけてきてしわしわ。

こちらが10時間後の状態。2時間後のものと比べ少し表面がなめらかに見えます。あまり目立たないのですが、ちょっと色が抜けて茶色い水が下の方にたまっています。これに関しては色の濃い豆は色が出やすいので特に気にしなくてOK。

乾燥豆は使う前にしっかり吸水させる必要があるよ。使う前の晩に漬けておくとちょうどいいね
※ただし小豆(あずき)は吸水させずにそのまま煮るため、上記には当てはまりません
たっぷりの水で煮る

水を捨て、豆を鍋に移します。豆がかぶるよりも多めにたっぷり水を入れ、火にかけます。

鍋にフタをしておいた方がいいけど、少しずらしておかないと吹きこぼれちゃうから注意!!
このまま沸騰するまで待ちます。
湯を捨て、水を入れ替える
沸騰すると、このようにアクがたくさん出ます。

ここでアクをお湯ごと全て捨てます(※茹でこぼし)。

お湯もだけど湯気もかなり熱いから火傷に注意!!

茹でこぼしたら、また先ほどと同じくらいの量の水を入れ、火にかけます。
沸騰したら火を弱め、じっくりと煮ます。

アクもまだ出てくるので、おたまですくいとります。
煮ているうちにお湯が減ってくるので、減った分の水を足します。
やわらかくなったら砂糖・塩を加える
指で潰したり、実際に食べてみて硬さを確認します。やわらかくなっていたら、砂糖(乾燥豆の重量の半分~2/3くらい)と少量の塩を加えます。
おそらく2時間もかからずやわらかくなるはずです。

一旦火を止めて、次の日2~3時間ストーブの上にのせてことこと煮たらやわらかくはなりましたが煮すぎて割れてしまいました。この状態になると混ぜるとき崩れやすくなります。
完成

こんな感じ。ちょっと潰れてしまいましたが、新しい豆なら煮る時間がもっと少なくてすむはずなのでもう少しきれいにできると思います。
しかし味や食感はよく、豆のまったりとした味・食感と砂糖の甘みがよく合っていておいしい。
模様はちょっと薄れてしまいましたが、目視できるほどには残っています。


ちなみに上はそれぞれ金時豆とうずら豆の甘煮。うずら豆の場合、煮るとかなり色が出るためか、全体が茶色く染まってしまい模様が目立たなくなります。
※大正金時とうずら豆は別記事にて紹介しています。調理工程などにあまり違いはないのですが、ご興味ありましたらこちらもご覧いただけると幸いです。(別タグ出ます)


虎豆は金時豆やうずら豆・花豆などと比べると出回る量が少ないのか、あまりお店で見かけることがありません。ただ、お店によっては売っているので入手が不可能というわけでもありません。ちょっと珍しいかな?というくらい。
また、虎豆はほかの乾燥豆と比べて価格も高めです。見た目はうずら豆に似ているのにその点も異なるのはちょっと意外かも。入手難易度も合わせて考えると頻繁に使うのはちょっと難しいかなという印象。
ですがせっかく他に無い珍しい模様ですし、何か特別なときなどに使ってみるといいかもしれませんね。
25.05.30:全体的に構成の見直し