春、だんだんと暖かくなってくる時期。お店の青果コーナーで『びわ』を見かけるようになります。
一時期しか出回らないことやちょっとお値段が高いことから、『名前は聞いたことあるけど食べたことは無い』という人もいるでしょう。
『どんな味がするんだろう?』
『どのように食べればいいんだろう?』
……という疑問もあるかもしれません。
今回は『びわ』の特徴や食べ方、注意点など簡単に紹介していきます。
『びわ』って何?
漢字で『枇杷』と書きます。
バラ科の植物です。ほかにバラ科の果物といえばリンゴやナシ、梅など。改めて見てみるとけっこうなじみのあるものも多かったりします。
旬は初夏あたり、6月くらいによく出回っています。

早ければ4月くらいからでもお店で見かけるかな
有名な昔話に『琵琶法師(びわほうし)』がありますが、こっちの『びわ』は楽器のこと。この楽器に実の形が似ていることが名前の由来という説があるようです。ただ同じ名前なだけではないんですね。
ちなみに、『枇杷を庭に植えると縁起が悪い』……という話もあったりします。諸説あるようなので割愛しますが、いずれにしても枇杷そのものが悪いという話ではなく、今の時代であれば昔ほど気にする人もいないでしょう。ただ、一部(特に年配の方)だと気にする人もいると思うので、その点はご注意ください。
びわの特徴を見てみよう
柿のようなオレンジ色

卵のような形状で、果皮はやさしいオレンジ色。ちょっと柿っぽい色合い。
遠目だとわかりづらいですが、近くでよく見るとうっすらと産毛が生えています。

産毛はちょっと桃に似てるかも?
ちなみに今回のものは直売所で購入したもの。少しサイズがコンパクトで、黒い傷が付いてしまっていますが、スーパーで買うよりは手頃なお値段でした。逆に、スーパーなどのものだとちょっとお値段は張りますが、その分大きく見た目がきれいです。

多少見た目が悪くてもじゅうぶん美味しいですよ
よほど深い傷でなければ特に中身に問題ありません。どうせ皮は剥いてしまうので気にしなくて大丈夫。
ただ贈り物などにしたい場合や、ちょっと奮発してきれいなものを食べたいという場合は青果コーナーや果物専門店などで探した方がいいでしょう。そこはお好みで。

おしりの部分。ちょっと窄まったような変わった形。こう見ると産毛がよくわかりますね。
意外とクセがない、やさしい味
さて、気になる食味について。
びわはやさしい甘みがあります。酸味はほぼありません。
果肉はやわらかく、みずみずしい。種は大きいので取り除きやすく食べやすいです(ただ人によっては誤嚥の危険性があるため注意してください)。
そこまで味が濃いわけではないので好みは分かれるかもしれませんが、意外とクセが無いので食べ飽きない味かなという印象。生食のほか、シロップに漬けたりゼリーに入れたりしても美味しいんじゃないかと思います。
びわの食べ方は?
皮を剥こう
びわは皮を剥いて食べます。
きれいに洗い、手で皮を剥いていきましょう。簡単に剥けるのでご心配なく。


少しくらい皮の色が悪くても剥けばこのとおり、果肉はきれい
色が良く、写真で見るだけでもみずみずしさが伝わってきます。
果肉も橙色で、果皮の色とあまり変わりません。ですが果肉は少し見た目が粗いのでよく見て剥けば皮が残ることは無いでしょう。
あと、ヘタやおしりの部分は硬いので取り除いてくださいね。
種を取り出そう(必要であれば)
先ほど書いた話と重複するのですが、ここから更に一手間入れるなら切って種を取り出してください。種は簡単に外せます。

このように、中には種が入っています。硬く丸々とした形状で、例えるなら柿の種を分厚くしたようなイメージ。実の大きさと比べるとけっこう大きいように見えます。
種を取り出さずにかぶり付いても構わないのですが、人によっては種を誤嚥する可能性があります。危ないので、食べる人によってはあらかじめ取り除いていたほうが安心でしょう。
種には毒性があるため注意!!
びわについて、注意点をひとつ。
びわの種には毒性があり、食中毒を起こす可能性があります。
農林水産省のホームページに以下のように記載されています。
ビワなどの種子や未熟な果実には、天然の有害物質が含まれています。
平成29年、ビワの種子を粉末にした食品から、天然の有害物質(シアン化合物)が高い濃度で検出され、製品が回収される事案が複数ありました。
ビワの種子が健康に良いという噂を信用して、シアン化合物を高濃度に含む食品を多量に摂取すると、健康を害する場合があります。
個別の食品のシアン化合物濃度については、製造元にお問い合わせください。
熟した果肉は、安全に食べることができます。
引用元:農林水産省『ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう』http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/foodpoisoning/naturaltoxin/loquat_kernels.html
シアン化合物……わかりやすくいえば『青酸(せいさん)』。この呼び名であれば『危険なもの』としてピンとくるという人も多いはず。
例えば、『未熟な梅には毒がある』という話はかなり有名な話です。その『毒』というのがシアン化合物(青酸)。なので、梅干しを作る際には完熟したものを使います。梅酒や梅シロップを作る場合は青梅を使いますが、その場合漬け込んで毒性が消えるまで数ヶ月の期間を要します。旬の時期になるとよく1kg売りなどで販売されている青い梅はあくまでそういった加工用のものなので、間違えてそのまま食べないようにしてください。
しかし、びわの場合あまり常食するものでもないですし、梅ほど毒性は知られていないように思います。
ここまで聞くとびわの安全性自体に不安を覚えてしまうしまう人もいるかもしれません。ですが、引用元にもあるように熟した果肉であれば問題ありません。普段スーパーなどに並んでいるびわは完熟しているものなので、普通に果肉を食べる分には心配しなくて大丈夫。
『果肉を食べる分には』とわざわざ記載したのは、『普段使わないような部分をちょっと変わったレシピで調理しようとする人も稀にいる』ためです。普通であれば果肉しか食べない人がほとんどなのでそういった発想自体が浮かばないのではないかと思いますが……たまに自己流で一般的にあまりやらないようなことをしてしまう人も残念ながらいます。びわの種に限らず、SNSを使っていると危なっかしい話を見かけることがあります(大抵見かける時は危険性が指摘された後ですが……)。
『梅やびわの種』、『1歳未満の子どもにとってのはちみつ(※ボツリヌス症のリスクがあるため厳禁)』など、たとえ自然由来の食べ物であっても危険性の高いものは存在します。くれぐれもご注意ください。
ちなみに、未熟なびわは緑色をしているので、見れば熟れているものとの違いがすぐわかります。残念ながら追熟しないようなので、万一入手しても食べないほうが無難でしょう(まだ青いものを入手する機会があるか?と聞かれればそうそうないとは思いますが念のため……)。

引用元の農林水産省のページは大変わかりやすいので、ご興味がある方は是非そちらをお読みいただければと思います
まとめ

最後にまとめて終わろう
【枇杷(びわ)という果物について】
①バラ科の果物の一種
②柿のようなきれいなオレンジ色
③皮を剥いて食べる
④やさしい甘味があり美味しい
⑤種があるので飲み込まないよう注意
⑥種には毒性があるため、食用には使わないこと!
びわは旬の時期でないと食べる機会が無いので、ご興味がある方はチャンスを逃さないようご注意くださいね。参考になりましたら幸いです。

