『大正金時』ってどんな豆?~特徴と煮豆の作り方~

大正金時

スーパーなどで販売されている乾燥豆には『小豆』『大豆』『花豆』など、複数の種類があります。

今回はその中から『大正金時』について簡単にご紹介したいと思います。甘煮の作り方の例も書いているのでご参考にどうぞ。

大正金時の特徴

小豆を大きくしたような見た目の豆

大正金時は『金時豆』の一種。割とどこでも売っているメジャーな豆です。

色は小豆(あずき)に似た、きれいな赤紫っぽい茶色で、つやがあります。ただ小豆と比べるとだいぶサイズが大きめで、小豆は餡子に加工することが多い一方こちらは料理や菓子に使うことが多い印象(金時豆も餡子に加工する場合もあります)。

金時豆はいんげん豆の仲間で、同じ系統には『うずら豆』『虎豆』などがあります。

うずら豆、虎豆は上のような見た目です。それぞれ色や模様がかなり異なりますが、形やサイズは似ています。1粒が大体1.0gくらい。

※うずら豆についてはこちら↓

まだら模様の『うずら豆』~特徴と甘煮の作り方~
『うずら豆』は茶色地に黒いまだら模様が特徴。これが『うずらの卵』に似ていることが名前の由来になります。スーパーなどで購入可。

※虎豆についてはこちら↓

虎模様の『虎豆(とらまめ)』~特徴と煮豆の作り方
『虎豆(とらまめ)』。半分は縞々のようなまだらっぽい模様があり、もう半分は白っぽい色という特徴的な見た目で名前通り虎に似ています。他の乾燥豆と比べるとちょっと入手難易度が高め。

水戻ししてから使うのが一般的

乾燥豆は基本的に使う前に半日ほど吸水させる必要があります。

うめ
うめ

そのまま使えないこともないんだけど、煮る時間が余計にかかったり割れたりするリスクが高くなるからきちんと吸水させておいたほうが無難かな……

大正金時を水に漬けて吸水させると下のようになります。


左が一晩吸水させたもの、右が乾燥状態のもの

吸水させると色や大きさがかなり変わります。吸水後は1粒約2.0gといったところなので大体2倍くらいと考えてよさそう。

やまも
やまも

吸水させることで元に近い状態に戻ると考えると、たぶん乾燥させる前はこのくらいの大きさだったんだろうね

目安としては皮にしわが無くなるくらい。まだしわが寄ってる場合はまだ吸水しきってないと思われるのでもう少し待ってみてください。

大正金時の甘煮を作ってみよう

乾燥豆のメジャーな使い道のひとつ『煮豆(甘煮)』。豆を砂糖と甘く煮たものです。

今回は甘煮を作ってみましょう。

※人によっては手順等異なるのであくまで一例となります。

やまも
やまも

最初にざっくり書くとこんな感じ。

【材料】
・金時豆:1袋
・砂糖※:豆重量(乾燥時)の約1/2~2/3 (好みにより調整)
・塩:少々


【手順】
①水に浸けて一晩置く
②水から煮る
③茹でこぼして再び水から煮る
④砂糖を加えて少し煮る

※砂糖はどの種類でもOK(ただし黒砂糖の場合は味が大きく変わるため注意)

では上を基にもう少し詳しく書いていきます。

水に漬けて一晩置く

まず最初に豆を洗います。万一割れているものや傷んでいそうなものがあれば取り除いておきます。

洗ったら、たっぷりの水と一緒に入れ、一晩置きます。

これが水を入れてすぐの状態。

そしてこれが次の日の状態。かなり膨らみます。

やまも
やまも

ここでしっかり吸水させておくのがポイント

ちなみにここではボウルに漬けていますが、場所をとらないのであれば最初から鍋に漬けてもOK。

水から煮る

豆を水から引き上げ、鍋に豆とそれがかぶるよりも多めの水を入れ、火にかけます。

うめ
うめ

一応『水から引き上げ』って書いてるけど、どっちにしても茹でこぼす(※後述)から戻し汁ごと一緒に入れても大丈夫だよ

中火で沸騰するまで待ちます。

茹でこぼして再び水から煮る

沸騰すると、上のようにアクが出てきます。

ここで、アクを茹で汁ごとすべて捨てます。

やまも
やまも

お湯も湯気も熱いから火傷に注意

茹でこぼしたらもう一度同じくらいの量の水を入れ、また火にかけます。

再び沸騰したら火を弱め、じっくりと煮ていきます。

砂糖を加え、少し煮る

硬さを確認(竹串で刺してみる、指でつぶしてみる、実際に食べてみるなど)し、やわらかくなっていたら味付けをします。

今回は豆重量(乾燥時)の約半分の量の砂糖を加えましたが、好みによって調整してみてください。また、塩を少々加えると甘みがひきたちます。しょうゆでもOK。

うめ
うめ

煮詰まっていると砂糖を入れた後焦げてしまう可能性があるから、不安な場合は水を足した方がいいかも。上の写真だとちょっと水分が少ないかなと思ったから水を足しているよ

今回は上白糖を使用しましたが、金時の場合は色が濃く、白く仕上げる必要はないので三温糖などの濃い色の砂糖でも特に気にならないと思います。

味付けしたら少し煮て、完成。

こんな感じです(アップにしすぎたので写りがちょっとよくないですが……)。少し割れてしまったものの、照りがあってきれいに仕上がりました。

ほくほくしっとりで甘みもしっかりめ。出来たても美味しいですが、少し時間を置くと味がなじみます。

写真のものは1時間半ほど煮ましたが、けっこうやわらかめに仕上がりました。乾燥豆は普通の鍋で煮ると大体1時間半~2時間くらいかかります(特に古い豆は時間がかかります)。作る手間はかかりますが、自分で量や甘さの調整ができるのがメリット。多めに作って冷凍しておけば後からでも食べられます。

大正金時は大抵どこのスーパーにもあるので入手しやすいのも良いところ。もし初めて煮豆に挑戦したい場合オススメの豆です。また、砂糖を加えなければ料理にも使えます。是非使ってみてくださいね。

【更新状況】
22.11.17:文章の構成を少し変更、うずら豆・虎豆の写真を追加
25.05.30:全体の構成見直し、うずら豆、虎豆のリンクを追加
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