初春に出回る柑橘のひとつ『八朔(はっさく)』。それとは別に『紅八朔(べにはっさく)』というものもあり、同じ時期に店頭に並ぶこともあります。紅はっさくもはっさくからうまれた品種で、パッと見ると違いがわかりづらいので『何が違うんだろう?』と思う人もいるかも。今回ははっさくと紅はっさくについて、写真も参考にしながら特徴や味などの違いを見てみようと思います。
『はっさく』と『紅はっさく』の違い
紅はっさくのほうが赤っぽい
まず皮をむく前の状態を見ていきます。
左が普通の『はっさく』、右が『紅はっさく』です。(はっさくは洗ってるときヘタがとれてしまいました……)
名前に『紅』と付くだけあり、紅はっさくのほうが色が濃いのがわかります。ただ、はっさくのほうも物によってはもう少し濃い色をしています。
写真のものを量ってみたところ、はっさくが約200g、紅はっさくが約260gといったところでした。本来は大体同じサイズ(※規格による)と思われるので、今回のはっさくはちょっと小ぶりのようですね。
果肉の色も同様に紅はっさくが濃い
次に、むいて中を見てみます。はっさくと紅はっさくは皮がかなり硬くはがしづらいので、ヘタ周辺や尻部分に一旦包丁・果物ナイフなどで切れ目を入れるとむきやすくなります。
薄皮が付いている状態です。これだけ見ても、はっさくのほうが黄色く、紅はっさくのほうがちょっとオレンジがかったような色をしているのがわかります。
更に薄皮をむいて果肉のみの状態がこちら。
はっさくは果肉がしっかりめでくずれにくいから薄皮がむきやすいのがいいね
さっきより色の違いがわかりやすくなりました。やはり紅はっさくのほうが色が濃いです。深みがあるというか、何て言えばいいですかね…はちみつ色っぽい?感じ。どちらもみずみずしさが相まってきれいな色です。
紅はっさくのほうが少しだけ甘い
さて、いちばん気になるのはやはり味だと思います。
はっさくはすっきりした甘みとそこそこの酸味があり、苦みが割と強めです。
一方、紅はっさくは少し甘みが濃いです。苦みは実際はそこまで変わらないのかもしれないですが、甘みが強いからか普通のはっさくほどは気にならないかなという印象。
とはいえ、『実際に食べ比べてみるとわかる』といった感じなので、飛び抜けて大きく違う…というわけでもありません。かくいう私も、もし片方だけ食べて当てろと言われたらちょっとわかる自信が無いかなぁと思います。
紅じゃないはっさくでも甘いものがあったり、紅のほうもちょっと酸っぱいなってこともあるから注意(※今回写真で使用した分は少しだけ酸味が強いようでした。)
はっさくの酸味や苦みは一口目は強く感じますが、食べ進めると慣れるのでそうでもなくなります。むしろこの苦みが癖になる人もいるでしょう。
食感は両方ともそこまで変わらず、どちらも果肉があまりくずれないくらいの硬さをもちつつ実際食べてみるとやわらかく、果汁も多いので食感がいいです。ただ薄皮は少し硬めなので、小房丸ごと食べるか薄皮をむくかはケースバイケースといった感じですね。
個人的には普通のはっさくも好きですし、どちらもおいしいと思うのでおすすめです。時期を逃すと売っていなかったり中身がスカスカになってしまっていたりということがあるので、旬の時期を逃さないようにご注意くださいね。それでは。
※はっさくをの皮や薄皮はこちらの方法でむけます↓