『日向夏』って何?~特徴や食べ方をみてみよう~

日向夏
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冬から初春までの寒い時期に多く出回る柑橘類。中にはちょっと暖かくなってくる初夏まで出回るものも。そのひとつに『日向夏(ひゅうがなつ)』というものがあります。

地域によってはあまり見かけないかもしれません。

『他の柑橘とどう違うの?』
『どう食べればいいの?』

…など、初めて見た場合は気になるところもあるでしょう。

今回は『日向夏』について、簡単に書いていこうと思います。

日向夏の特徴は?

明るい黄色の鮮やかな柑橘

まず見てすぐわかる特徴は皮の色

基本的に黄色で、少し緑色が残っている場合もあります。黄色い柑橘といえば文旦とかグレープフルーツなどありますが、あちらより少し色が鮮やかです。

上写真のものは温州みかんのS~Mくらいの大きさで、量り忘れてしまったのですがおそらく60~80gくらいだと思います。ただし、これはだいぶ小ぶりのもの。もっと大きいものもたくさんあります。サイズは規格によると思ってください。

横切りと縦切りの断面。瑞々しく、淡い透き通った黄色の果肉が美しいです。

こちらも文旦系に似ています。形状は丸っこかったり、右写真のように下が少しどっしりして三角形っぽかったり。割と形が整っている印象です。

※文旦ってこういう柑橘

ちなみにこっちが『文旦』。柑橘の中でもサイズが大きめ。有名なものだと『土佐文旦』があります。写真は『高岡文旦』。

写真だと少し色が暗いですが、淡いやさしい色のものもあります。また形は少し縦長だったりぽってりしてたりと様々。

白い部分が苦くない!

日向夏の最大の特徴、と言える部分。それは、

『白い部分(ワタ)が苦くない』

…ということ。

例えば文旦やグレープフルーツなど皮が分厚い柑橘は総じて白い部分がかなり苦いです。一応皮部分を食用にできないこともないのですが、それでも白い部分は削って取り除いたり茹でこぼしたりといった下処理が必要となります。

一方、日向夏は白い部分が全く苦くないため、そのまま白い部分込みで食べることが可能です。

やまも
やまも

白い部分だけ食べるとほとんど味しないんだ。ほかの柑橘の白い部分の苦さを知ってるとビックリするくらい違うぞ

少なくともわたしの知る限りだと、このような特徴を持つのは日向夏かその仲間である一部の柑橘のみなので、かなり特殊と言えるでしょう。

この特徴から、日向夏はちょっと変わった剥き方をして食べることが多いです。食べ方については後ほど。

甘すぎず、酸味が少し強め

ほどよい甘みと、キリっとした酸味を持ちます。最初の一口が少しすっぱく感じるかもしれませんがすぐ慣れるのでそこまで気になりません。

果肉の色合いが文旦やグレープフルーツなどと似ているのでそのような苦味を連想するかもしれませんが、実は苦味はほぼ無し。薄皮はそこまで硬くないので、薄皮ごと食べて大丈夫。

果肉はやわらかく、果汁をたっぷり含み口当たりがいいです。

ずんだ
ずんだ

出始めのころはもしかしたらもう少し酸味が強いかもしれません
(これに関しては柑橘類全般に言えますが……)

種ありと種なしがある

種はあるものと無いもの両方売っています。大抵パッケージやラベルなどに記載があるはずなので購入時にご確認ください。

種が無いものは手間がかかっているので比較的お値段が高めの傾向にあります。

これは種有り。

初夏まで購入が可能

柑橘と言えば、通常寒い時期に出回る果物。時期としては大体冬~初春といったところでしょう。3月あたりを目処に減っていくイメージ。

日向夏は早ければ年末あたりにも入手できるのですが、出回る期間が長めで、遅くて初夏あたりまで売っていることが多いです。

やまも
やまも

ほかに初夏まで売ってる柑橘といえば河内晩柑(かわちばんかん)あたりかな?それ以外はあまり見かけない。

河内晩柑や日向夏を見かけなくなってから今度はハウスみかんがお店に並ぶようになる感じ?

一応甘夏とかも同じくらいの時期なのかなと思うのですが、わたしの地元だと甘夏はあまり遅い時期まで無い気がします。(※地域によって時期がずれる可能性はあります)

※河内晩柑はこんな柑橘。こちらはより文旦に近いイメージ。↓

河内晩柑(かわちばんかん)ってどんな果物?特徴や食べ方など
河内晩柑は、ほどよい酸味と甘みがあります。柑橘特有の苦みも少しありますが、文旦やグレープフルーツなどと比べると控えめで食べやすい。果肉がやわらかい場合は絞って寒天液と混ぜてゼリーにしても◎。

日向夏の食べ方は?

おすすめの食べ方は、

『丸ごと皮をむいてからそぎ切り』です。

まず、日向夏を洗い、丸ごとヘタ部分からくるくると皮をむきます。

その後そぐように薄くカットします。乱切りっぽくなってもOK。

やまも
やまも

ワタまで食べれる日向夏ならではの切り方だ

オレンジのようにカットしても食べられます。同じカットでも切る向きによって見た目が変わります。左は縦向き、右は横向きからのカット。

皮は剥がれやすいのでこの状態から手で剥けます。

ただ、オレンジカットの方法だと白いワタ部分が皮のほうにくっついてしまい果肉のほうにあまり残らず、食味が変わってきます。白い部分そのものはほぼ味が無いのですが、果肉と一緒に食べると少し酸味が落ち着いて感じるというか、果肉だけ食べるのとはまた違う食感・味わいになります。オレンジカットだとより味がダイレクトな印象。

あくまで私個人としては、折角白い部分も食べられるのに捨ててしまうのはもったいないし、食味も白い部分があったほうが好みではあります。

ずんだ
ずんだ

味の違いに関してはちょっと説明が難しいですね…ただ食べ比べてみるとやっぱり違う感じがするので、気になる方は是非自分の舌でで確かめてみてください……

甘すぎず、風味が豊かなので、ドレッシングやサラダなど野菜との組み合わせも相性が良いです。また、酸味と砂糖との相性も良いため、デザートにも使えます。生食だけだと物足りないという方はそちらにチャレンジしてみてもいいと思います。

オマケ:甘夏との違いは?

最後にオマケ。

同じく『夏』と名前が付いている柑橘に『甘夏』というものがあります。

オレンジ色でちょっとサイズが大きめの柑橘です。

こちらは名前に反しけっこう苦みが強い、ちょっと大人の味といった感じ。文旦やグレープフルーツなどの苦みがある柑橘が好みという人向けかな?

日向夏とは全くの別物と思っていいでしょう。ご興味がありましたらこちらも旬の時期にご賞味ください。

※『甘夏』とちょっと赤い『紅甘夏』があります。比較してみたのがこちら↓

『甘夏』と『紅甘夏』、どこが違うの?~特徴や味を比較してみよう~
甘夏は黄色い果皮、果肉で味はあっさりした甘みとそこそこの酸味、苦みがあります。一方紅甘夏は色が濃く、甘夏と比べると少し甘みが強め。どちらも苦みがけっこうあるので大人の味。
【更新状況】
24.01.31:全体的に構成の見直し
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