『芋』と聞くと皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。『さつま芋』『里芋』『じゃが芋』…いろんな芋がありますね。今回はその中からちょっと変わった芋『菊芋』について、色の違いなども合わせて特徴を簡単にご紹介したいと思います。
そもそも『菊芋』って何?
簡単に言うと『キク科の芋』。名前の通りだ。つまり菊の仲間なんだな。
さつま芋やじゃが芋などのポピュラーな芋と比べるとそこまでメジャーではないものの、近年はお店で見かけることも増えてきたように思います。地域や気候によるとは思いますが、大体秋~冬頃が入手しやすいです。
『白い菊芋』と『赤い菊芋』って何が違うの?
菊芋には『白い菊芋』と『赤い菊芋』があります。その違いについて見ていきましょう。
見た目の違い
左が『白』、右が『赤』です。サイズはどちらも同じくらいで、他の芋類と比べると小さめ。形はけっこうまちまちなのであまり比較にはならないかもしれません。でこぼこが多いので皮をむくのが大変ですが、むきづらい部分を適度な大きさに切り分けてからむくとよさそうです。
白は皮の色が白っぽく、赤は赤茶色です。皮の色は違いますが、それを除けば見た目は共通しています。また、両方とも果肉はきれいな白で少し透き通ったような色合い。
…ショウガに似てない?
白い菊芋はショウガと大変よく似ています。
実際に見比べてみましょう。形はちょっと違いますが、模様や色合いはそっくりです。菊芋のことをよく知らないと初見で間違えてしまう可能性があります。
一方、赤い菊芋は色が濃いのでショウガとは間違えないと思いますが、あえて言えば里芋にちょっと似ているかもしれません。
比較してみるとこんな感じですね。両方『皮が茶色で中身がきれいな白色』という点が共通しています。右の里芋は皮付きなのであまり似てないかもしれませんが、ちょっと皮をむいた状態のものはもう少し似ている気がします。ただ、見慣れれば間違えることはないでしょう。
※里芋と菊芋の違いをもう少し詳しく書きました↓
香り
どちらも土っぽいような独特のにおいがします。ゴボウに似たにおいですね。
味や食感、使用所感など
さて、肝心の味や食感についてです。
どちらも生の状態はシャキッとしていますが、加熱するとやわらかな食感になります。里芋やじゃが芋、さつま芋など普段使う芋はねっとり、ほっくりとしたものが多いですが、菊芋はそれらとは異なり、食感・味ともにあっさりめです。どちらかというと野菜に近いイメージでしょうか。すごくざっくり言えば『歯ごたえがひかえめなゴボウ』っぽいかな?
また白と赤はそこまで大きく違うというわけではないのですが、ちょっと違うかな?と思ったのが下記の部分。※あくまで個人的な所感になります。
茹でると赤よりちょっとやわらかく、味はよりあっさりめ?
【赤い菊芋】
茹でたものは白より少し食感が硬く、味が濃い…ような気がする。
※また、皮をむく際に白はシャリシャリと音がし、赤はしませんでした。ただこれはたまたまかもしれないなと思ったので今回は上記には入れていません。
あくまで両方食べ比べた場合なので、実際比べてみないと違いはわかりづらいかもしれません。繰り返しますが、少なくとも普通に調理して食べる分には大きく違う部分は無いので、特に白と赤で調理法を変えたりといったことはしなくてよさそうです。
白と赤とは別に紫色のものもあるみたいなんだけど、まだ筆者が取り扱ったことが無いので、今後使う機会があれば追記するかも。
日持ちしないので注意!
最後に、保存について。
芋類は割と保存がきくものが多いのですが、菊芋はあまり日持ちがしないようです。涼しいところであっても、そのまま放置していては数日で傷んでしまいます(実を言うと前に常温でそのまま置いておいたらすぐ傷んでしまいました)。特にビニール袋に入れたままだと湿気がたまるのでNG。表面が乾いた状態で新聞紙やペーパーに包む、紙袋に入れるなど通気性の良い状態にし、早めに食べることをおすすめします。ただ、菊芋は大量に食べるとお腹がゆるくなったりする可能性があります。もし大量にあり消費しきれない場合、冷凍保存も検討したほうがいいかも。
また、薄くスライスして天日干しでしっかり乾燥させると保存食として使えます。ご興味がある方はチャレンジしてみてもいいかもしれませんね。
あまり見かけないんだけど、乾燥させたものを売っていることもあるよ。前に1回買って使ってみたんだけど、お湯でしっかり戻るから、ちょっとした味噌汁の具とかにするのに便利だね。もし気になったらそちらもチェックしてみてね。
23.02.02:里芋と菊芋の比較記事のリンクを追加しました。