初夏になり、青果コーナーの品揃えも少しずつ変わってきています。
その中で、赤く小さめの丸っこい果物がパック入でお店に並んでいるのを目にすることはないでしょうか?
これは『すもも』。その中でもいち早く出回る『大石早生(おおいしわせ)』という品種です。
おそらく普段食べたことが無い、聞いたことはあっても馴染みが薄いという人もいるんじゃないかと思います。
『どんな味がするんだろう?』
『生で食べて大丈夫?』
……などの疑問があるかもしれません。
今回はこの『大石早生』について簡単に説明していきますね。
大石早生ってどんな果物?
すももの代表格
大石早生は『すももの代表格』とも言える品種です。その年でいちばん早く出回り始めるのもコレ。早ければ5月後半くらいからお店で見かけます。もし品種名が書いていなくても他に置いている品種がなければまずこの品種と考えていいでしょう。
同じく有名なすももに『ソルダム』があげられます。
こちらは大石早生と比べてちょっと時期が遅めかなという印象ですね。とはいえ早いほうではあるので、大石早生と一緒にお店に並んでいることも珍しくないです。
※ソルダムとの違いはこちらに書いています↓
明るい赤色の小ぶりなすもも
見た目は明るい赤。しっかり赤くなっていれば美味しく食べられます。
まだ果皮が黄色に近いものもたまに見かけますが、それは完熟していないため食べ頃には早いです。
すももは追熟するので、もしそういったものを入手した場合はすぐに食べずに少し置いておくと赤くなってきます。(※気をつけないと傷むことがあるので温度管理には注意してください)
追熟させるには常温でもいいみたいなんだけど、暑くなってくるとちょっと心配だし冷蔵庫の方が無難かも(基本的には冷蔵保存を推奨します)
サイズはほかの品種と比べてまあまあ小ぶりという印象。…というよりは他の品種が大きいと言ったほうがいいのかもしれません。遅れて出回ってくる『ソルダム』はもう少し大きく、『太陽』などは更に大きいです。
果肉は薄い黄色
断面。果肉は明るい黄色。クリーム色っぽい感じです。
中に大きめの種が一個あります。
桃に似てるなぁ
ほかの品種だともう少し濃い色が多い気がします。
生でそのままor皮をむいて食べる
大石早生は生で食べることができます。皮ごと食べることもできるので、丸ごとかじってもOK。種には注意。
ただ、皮はちょっと硬く口に残りやすいので、それを避けたいなら剥いて食べたほうがよさそう。
果肉だけカットして食べたい場合は
①桃のように半分に割って等分に切る
②丸ごと剥いて削ぎ切りにする
…のどっちかかなぁ
桃と同様にくるっと切れ目を入れてねじれば簡単に割れます。先に皮をむいてしまうと果肉がすべってうまく切れないので、この方法をとるのであれば先に半分に割ったほうが切りやすいです。
まだ硬めのものだと種がくっついているので難しいかもしれません。その場合は削ぎ切りのほうが切りやすいです
一応湯むきもできます…が、皮の色が残りやすいのとお湯を用意する手間がかかるので、それを考えると包丁のほうが楽かも。
※湯むきについては過去に何通りか試した結果を下記の記事にまとめていますので、ご興味ありましたらご覧ください↓
酸味が効いて甘ずっぱい味
さて、肝心の食味について。
大石早生はちょっと酸味が効いています。ですが、甘みもほどよくあり、おいしいです。一口目がすっぱく感じると思いますが、食べ進めればすぐ慣れてくるでしょう。
完熟前だと食感が少し硬いですが、完熟すればやわらかく、果汁もしっかりあり。
ほかの品種と比べるとちょっと酸味が強い印象です。でもこの甘酸っぱさが良いという人もいるでしょうからそこは好みによるでしょう
※熟しすぎに注意!
先ほど、赤くなっていないものは追熟を待った方がいいと記述しました。
ただ、油断すると熟しすぎてしまうため注意が必要です。
上写真は両方とも『大石早生』です。
わ、黒っぽくなっちゃったな……
左の濃い黒っぽい色のものは追熟させていたものですが、熟しすぎてこのような色になってしまいました。
切ったものがこちら。果肉まで赤っぽくなり、先ほどの写真のものとはかなり色合いが異なります。
また、こちらは種が縮んでしまっているのがおわかりになるかと思います。このくらいまで行くと熟しすぎです。
酸味は落ち着くのですっぱいものが苦手な場合でも一応食べやすくはなります。ですが、果肉が崩れるくらいやわらかくなってしまい、食感がイマイチです。好みによるとは思いますが、古くなると風味も落ちるので、このようになる前に食べることをおすすめします。
以上、参考になりましたら幸いです。
24.07.19:全体の構成を見直し