買ったばかりのみかん、何故か果肉がパサパサ、スカスカしている……という経験は無いでしょうか?古い柑橘によく見られる特徴ですが、もしかすると『天成り』も原因かもしれません。
今回は天成りみかんについて書いていこうと思います。
『天成り』のみかんについて
天成りってどういう意味?
まず『天成り』の意味について。簡単に言うと、
『実が上向きに成ってる』
ことをいいます。

だから『天』『成り』なんだ……
日光に当たりすぎて色ムラが出たり、味も落ちてしまったりというデメリットがあるため、一般的に品質はあまりよくないとされています。なので通常は摘果(てっか/てきか)の対象になるようです。

これは2019年某日に買ったみかんの中身。一部色が薄く黄色くなっているのがわかります(矢印部分)。こういった部分は果汁があまりなくスカスカであまり美味しくありません。
天成りみかんの見分け方ってある?
では天成りのみかんを見分ける方法はあるのでしょうか?
……決して確実ではない、ということは先に申し上げておきますが、ある程度『これは天成りかも』と判断しやすい材料はあります。
経験上、天成りの特徴として上げられるのが
・持ってみた時に軽い
・直売所などで売っていることがある
……の3点。おそらく天成りのみかんは規格外でしょうから、通常スーパーの青果コーナーにはあまり出ないと思います。もしあるなら直売所あたりでしょう。そういったお店で購入する際は念のためチェックしたほうがいいかもしれません。
ちなみに今回写真で上げているみかんは特に『天成り』などの記載はなかったのですが、サイズが大きく味が少し薄かったのと価格がだいぶ安かったので条件に一致しており、ほぼ間違いないんじゃないかと思います。
あと、基本的なみかんの選び方として
・ヘタの色が悪くなっていないか(古いと黒っぽくなる)
・皮にツヤやハリがあるか
・皮がぶかぶかになっていないか
……などがあります。この点も一応判断材料にはなるんじゃないかと思います。
天成りすべての品質が悪いわけじゃない
ここまで書くと『天成りのみかんは全部美味しくないのかな』と思ってしまうかもしれません。ですが、天成りだからといって絶対に品質が悪いというわけではないようです。

例えばこの日向夏。『天成り日向夏』としてスーパーの青果コーナーで売っていたものです。24年に購入してみたのですが、これがとろけるように美味しい。天成りのイメージを覆すような食味でした。

ちょっとお値段張ったけど、この品質なら納得かも
※天成り日向夏についてもう少し詳しく書いた記事はこちら(皮を剥いた状態などの写真も上げています)↓

というわけで、天成りでも美味しいみかんはあるようです。
ただ、当時のお値段や包装などから予想するにかなり選別されているものと思われます。また、品質的に問題無いためスーパーにも出荷ができたのではないでしょうか。なのでこういったものはどちらかといえば例外のケースかもしれません。
美味しく食べる方法ってある?
さて、最後に『既に買ってしまった場合』、いかに美味しく食べるかについて考えていきましょう。
あまり甘くないみかんを甘くする方法のひとつが『加熱』。

トースターにアルミホイルを敷いて丸ごとのせ、焼きます。多少皮は焦げても中身は意外と大丈夫。

剥くとこんな感じ。ちょっと汁が出てしまったものの、生のときよりジューシーに感じました。また、味も濃くなったようです。

劇的に美味しくなるわけではないんですが、それでも生よりは食べやすくなるんじゃないかと思います
ちなみに、焼きみかんは本来『酸っぱいみかん』を甘くするための手段としてよく用いられる方法です。時期が早いみかんなどは酸っぱいこともあるので、そういったものにもおすすめ。
まとめ

最後にまとめてみよう
天成りみかんは
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天に向かって成るみかんのことを指す
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品質があまり良くないことが多いが、ものによっては美味しいものもある
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サイズが大きい割にかなり価格が安い場合は要注意
……と、こんな感じです。買い物のご参考になればと思います。
25.06.03:全体の構成見直し、日向夏のリンクを追加