夏から秋にかけて出回る果物のひとつ『梨』。大きく分けると赤みのある『赤梨』と青っぽい『青梨』に分けられます。よくお店で見かけるものは赤梨が多めです。
今回はその赤梨の中から『新興(しんこう)』について簡単に書いていきます。
新興ってどんな梨?
ビッグサイズの梨
新興はよく見かける『豊水』などの品種と比べるとサイズが大きいのが特徴。
上写真のものは特に大きめのもので約640g。普通の梨の重さが大体300~400gと仮定するとかなりビッグサイズなのがわかります。ただ、直売所で購入したものだったのですがスーパーなどで見かけるものよりも大きいように感じました。おそらく普通売っているものはもう少し小さいんじゃないでしょうか。
新高と間違えないように注意!
同じくサイズが大きいという特徴を持つ梨に『新高』という品種もあります。
こちらも赤梨で色味も似ていますし、名前も似ています。こちらは『新高』と書いて『にいたか』と読みます。正直『しんこう』とも読める漢字なのでちょっとややこしいですが別品種。
ちょっと味はひかえめ
豊水などはけっこう甘みが強いのですが、この品種はそれらと比べると少しひかえめです。
あっさりめの甘みで、ちょっと果肉が硬いのが特徴。
…ですが、熟れ具合でもちょっと味や食感は異なってきます。次の項でお話していきます。
同じ品種でも色で味が違う?
ほかの梨にも言えるのですが、早めに出回る青みが強いものと後から出るそれより熟れてきたものだと見た目や味・食感に違いが出てきます。
見た目の違い
上写真はだいぶ見た目が異なるのですが両方『新興』。左は8月下旬に購入、右は9月下旬に購入したものです。
左のものは全体的にまだ緑っぽい色をしていますが、右は完全に色が変わり、落ち着いた見た目になっています。
あくまで目安のひとつとして一応購入時期を書いていますが、おそらく地域やその年の気候などで異なると思われます。
『青みのある赤梨』と『青梨』は別物!
ちょっとややこしい書き方をしてしまったかもと思ったので補足なのですが、『青みのある赤梨』はあくまで『赤梨』なので『青梨』とは別です。赤梨は青っぽっくても少し褐色みがあります。青梨は見るからに青。
たとえばこれは『二十世紀』という青梨。比べてみると全然違うのがわかります。
味や食感の違い
実際に食べた感じは下の通り。
果肉がしっかりめ、けっこう歯ごたえがある。
甘み・酸味のバランスがよく、梨特有の若干の渋みもある。
シャキシャキした食感だが、①よりだいぶやわらかい。
渋みをほとんど感じず、甘みと酸味を楽しむことができる。
やはり幸水・豊水などと比較すると少し味がひかえめかな?という印象ですが、あっさりめの味はクセがなく、パクパクいけます。
まだ緑っぽいものもおいしいのですが、茶色ほどの甘みは無いのに加え、ちょっと渋みを強く感じるかな?という気がしますね。一方茶色はやわらかく、甘みが強くなるので緑の方より食べやすくなると思います。
緑の歯ごたえのある感じが好きという方もいらっしゃるでしょうし、あとは好みによるでしょう。
甘いものを好む方はどちらかといえば茶色に近い色を選ぶとよさそうです。
追熟はしないので注意
追熟する『洋梨』と異なり、新興などの『日本梨』は追熟しません。よって、緑の強いものを一定期間置いておいても茶色くはなりません。収穫時にほぼ決まるものと思ってよいでしょう。
あまり長期間冷蔵庫に入れておいたりすると、かえって傷んでしまい風味が落ちることもあります。なので、購入してからできるだけ早く食べることをおすすめします。
硬い、または甘みが物足りないから食べづらい…と感じる場合はコンポートにしてみるのも手だよ。梨と水、砂糖(+レモン汁)で簡単に作れるから、もし興味がある人はチャレンジしてみてね。
23.08.25:全体の構成を変更。青梨についての項目追加。写真を品種名入りのものと差し替えました。