梨の中でも有名な品種のひとつ『豊水(ほうすい)』。旬の時期になるとお店にずらっと並びます。
今回はその『豊水』ついて簡単に書いていきます。
『豊水』って?
比較的早めに出回り始める代表的な『赤梨』
その年の最初に出回りはじめる梨は『幸水』。『豊水』はそれを追うようにお店に並び始めます。場合によっては両方売っている時期も。
日本で売っている梨は大きく分けて『赤梨』と『青梨』に分かれますが、豊水は『赤梨』。青梨は見るからに青(緑色)もしくは黄緑のような色合いなのですが、赤梨は褐色系の色をしています。上の写真は9月下旬撮影したもので、だいぶ赤みが増しています。早いうちに出回り始めたものはもっと青っぽい色をしています。
シャキシャキしつつもやわらかく、甘い
熟れ具合によるのですが、比較的やわらかめ。
熟れているものは甘みが強く、少し熟れ方が足りなければあっさりめでちょっと噛み応えが強いです。
茶色いものと青いものを比較してみよう
さて、大体上の項で書いてしまったのですが、熟れ具合は見た目からある程度判断することができます。赤みが強いものほどよく熟れています。
ちょうど両方同時に入手できたので実際に比べてみようと思います。
見た目だけでもこんなに違う!
まず見た目から比べてみよう
右はまだ青みが残っており、オリーブのような色。表面の斑点(※果点といいます)のほうが色が薄いので目立ちます。
一方、左はだいぶ赤みが増し、茶色っぽくなっています。斑点は色味が似ているのかあまり目立たなくなりました。
撮影時の照明などの関係か少し明るめに写ってしまった気がします。肉眼だともうちょっと濃い色に見えるかもしれません。
一応別方向からも撮っておきました。(少し黒い傷が見えますが剥けば特に問題ありません)
早めに出回り始めるものは右のように青っぽいもの(もしくはこれ以上に青みが強い)が多いのですが、今回は両方売っていたので時期とか地域にもよるかもしれません。
果肉はあまり見た目に変わり無し?
次は切って中身を見てみます。
それぞれ皮が茶色のものと青いものの断面。一見青いもののほうがちょっと青白いような色に見えるのですが、おそらく皮の色が果肉から透けていると思われます。
それだと比べづらいので更に剥いて比較。
…何か違うかね……?
写真だと右に影ができてしまったみたいでちょっと分かりづらいかもしれませんが、ほぼ見た目の違いは無いように思います。念のため手に持ってよく見たのですがそこまでの違いは感じませんでした。
ただ、青い方が切る際明らかに硬く、ザクッとした感触を強く感じました。
茶色は甘く、青色はあっさりめ
さて、いちばん気になるのはやはり食味だと思います。先ほども書いたことと重複してしまいますがもう少し細かく書きますね。
茶色いほうは甘みが強く、酸味はほとんどありません。梨特有のシャキシャキ感は残しつつもやわらかく、果汁が多めで口当たりも良いです。
まだ青いほうはシャキシャキ感がより強く、甘さはあっさりめ。その中に少しだけ酸味があるかな?といった感じ。こちらも果汁がしっかり多め。とは言っても実際同時に食べ比べたらわかりやすく違うというだけで、こちら単体だけ食べれば十分甘いと感じるかもな~とは思います。
今回の青いものは渋みはほぼ感じなかったのですが、過去に食べたものには少しだけ渋みが感じられるものもありました。おそらくこれよりももっと青みが強かったのではないでしょうか。
より甘いもの、やわらかく食べやすいものを選びたいという場合はできるだけ茶色っぽいものを選ぶとよいかと思います。特に噛む力が弱い方だと青っぽいものは噛み応えが強くちょっと食べづらいかもしれませんね。
青いものは青いものでさっぱりしていてシャキッとしているので、あとは個人的な好みかなと思います。
追熟はしないので注意!
最後に補足を。
豊水を含めた『日本梨(和梨)』は追熟しない果物です。なので、青みの強いものを保管しておいても茶色にはなりません。むしろ、長期にわたって冷蔵庫に入れておくと傷んで表面がやわらかくなり、風味が落ちてしまう場合もあります。もちろん適切に管理すればある程度は保ちますが、基本的には購入時点が食べ頃であると考えたほうがよさそうです。
梨はりんご等のようにコンポートにしても美味しいです。ちょっと甘みが足りないかな…という場合や、もう少しやわらかくして食べたいな…という場合はオススメします。簡単にできるデザートですし、好みに合わせて甘さを調節したり、トッピングしたりといろいろアレンジしてみてくださいね。
新鮮な梨は夏~秋の旬の時期にしか味わえませんので、美味しい時期に是非ご賞味ください。
23.08.28:全体的にリニューアル。比較写真をよりわかりやすいものに差替えました。