
今回は『ブラッドオレンジ』について紹介するぞ!
22.01.23:写真をアドレス入のものと差替。および全体の構成を変更しました。
ブラッドオレンジとは?
『ブラッド(blood)』とは英語で『血』を意味しますが、その名の通り、果肉が赤い色をしているオレンジです。ブラッドオレンジの中にもいくつか品種がありますが、今から紹介する2種類が主な品種です。
『タロッコ』と『モロ』
見た目


左が『タロッコ』、右が『モロ』という品種です。双方、オレンジの中では少し小さめサイズ。
タロッコの果皮はオレンジ色で、見た目には他の柑橘と特に違う部分は見られません。一方、モロはオレンジ色ではありますがところどころ赤みが強くなっています。

赤がにじんだような色合いが特徴的だな
ちなみに、タロッコとバレンシアオレンジを並べてみたのがこちら↓

ちょっと赤っぽいかな?という感じですが特徴的にはそこまで違うところはなさそう。
さて、断面を見ていきます。まずは『タロッコ』。



ところどころ赤くなってるな
果肉の色はオレンジ色をベースにところどころ赤が入るような感じになっています。この赤い色は『アントシアニン』という色素が関係しています。

『アントシアニン』とは野菜や果物など植物に含まれる色素のひとつ。例えば、紫キャベツや紫芋、ぶどうの皮などにも含まれます。ほか、紫や赤紫色のものもアントシアニンが関係していることが多いです(※ただし例外もあるので全てではありません)。


すごく紫色……!!
タロッコと大きく異なり、中は全体的に濃い紫色(赤黒い色?)をしています。近くでよく見ると少し黄色みのある部分もあるのですが、紫のインパクトが強すぎてパッと見た感じだとあまり気づきません。ほかの柑橘類にも見られない、とても特徴的な色合いになっています。
味・食感
タロッコは、他のオレンジと比べるとちょっと酸味が強いかなと思いますが甘みもきちんとあり、おいしいです。苦みは特になし。薄皮部分は少し硬いです。
モロは、酸味はあまり感じません。柑橘というよりベリー系のような?若干の渋みとほどよい甘みがあります。この独特の風味はアントシアニン(ポリフェノール)の多さが関係しているのかもしれません(※あくまで個人的な予想です)。薄皮部分はタロッコ同様、けっこう硬くしっかりしている感じです。
※硬さはもしかしたら時期にもよるかもしれません。
タロッコはそうでもないのですが、モロの場合果汁がピンク色をしています。服などに付くと目立つので食べるときにはご注意ください。

手でつかんで食べるならおしぼりなどを準備していたほうがよさそう
切り方について
オレンジを(飾り切りなどでなく普通に)カットする場合、向きによって見た目が変わります。


ヘタに対し切り口が平行になるように切った場合、上のようになります。果肉の色が濃いので見栄えがしますね。6等分でももちろんいいのですが、6等分だと少し分厚くなるのでより細い8等分の方が食べやすいかなと思います。

縦に切ると上のようになります。バレンシアオレンジの場合、切り込みを入れなくても割とはがしやすいのですが、ブラッドオレンジの場合外皮と薄皮がぴったりとくっついているようで、非常にはがしづらくなっています。また、房同士もけっこう強くくっついてる印象がありました。その点は他の柑橘と比べると少し勝手が悪いかもしれません。なので、あらかじめ写真のように切り込みを入れておくと食べやすくなります。

①の切り方にした場合、切り込みを入れようとすると薄皮が邪魔をして果肉がつぶれてしまうので避けた方が無難です。
また、先程の項目と被りますが、モロの果汁は濃い色をしています。汁がはねた場合服に色が付く可能性があるためご注意ください。
※縦に切ったときに食べやすくしようと皮との間に切れ目入れようとしたところ、汁が飛んで少し服についてしまいました(幸いすぐ洗濯したらとれました)。おそらく他の柑橘のときにも飛んでるのですが特にこの品種は色が濃いので目立ちます。切る時はエプロンをしたほうが安心です。
まとめなど

簡単にまとめてみよう
・『タロッコ』は見た目は他と変わらないが、果肉が少し赤い。
・『モロ』は皮がところどころ赤く、果肉は全体的に濃い紫。少し独特な味。
…と、こんな感じでしょうか。
ほかのオレンジと比べてなかなか出回らず、自分もたまーにしか見かけたことがありません。時期によっては国産もあります(今回上げた写真は両方国産、タロッコは記録し忘れたのですがモロは愛媛産でした)。大きいスーパーや果物専門のお店であれば売っているかもしれません。両方ともおいしい品種なので、もし機会があればぜひ食べてみてほしいなと思います。
それではまた。