柑橘は本来涼しい時期の果物。夏に出回る柑橘類は大部分が輸入に依存します。
『ハウスみかん』はそんな中で貴重な国産のみかん。見慣れたオレンジ色のものが多いのですが、中には冬あまり見かけないような緑色のものもあります。『ちゃんと熟れているの?』『すっぱくない?』と心配な方もいるかもしれません。
今回は夏場に買える緑のみかんについて書いていこうと思います。
夏の緑みかんの特徴
鮮やかな濃い緑~黄色の小さなみかん
色は濃い緑ですが、ところどころ黄緑~黄色になっている部分もあります。
サイズは手で包めるくらい小ぶりでかわいらしいです。重さを量ったところだいたい50~60gくらいでした。よく見かけるみかんが80~120gくらいと仮定してもかなり小さいですね。
今回購入したものは『グリーンハウス』と呼ばれるみかんです。
※おそらく品種名ではなく総称であると思われます
同じく夏の時期に見られるハウスみかんの緑色に近いものといえば(あくまで私の地元だと)『南香(なんこう)』という品種もありますが、あちらはもっと大きいです。
中身は濃いオレンジ色
外側が緑色なので中身は黄色とか色が薄いイメージを持ちがちですが、実際に剥いてみると濃いオレンジ色になっています。
見た感じだと、皮がオレンジ色のみかんと中身はそんなに変わらないんだなぁ
皮は薄め。後から触れる話と重複しますが、緑色が濃いものほど中身とぴったりくっついていて少し剥がしづらいです。
ただあくまでちょっと剥がしづらいくらいですし、特に皮がぽろぽろ崩れるようなこともないので普通に手できれいに剥けます。
甘酸っぱく、おいしい
さて、いちばん気になるのは味だと思います。緑といえば『かぼす』や『へべす』などのすっぱい柑橘(※香酸柑橘と呼ばれます)のイメージですし、サイズも小さいからどうかな?とお思いの方、ご心配なく。普通の温州みかん同様、おいしいみかんです。
少々酸味は強いのですが、不快な酸味ではなく、甘みもしっかりあります。味が濃く甘酸っぱい印象。
薄皮が薄いため、袋ごと食べることができます。全体のサイズが小さいのでもちろん袋も小さく、種も無いため非常に食べやすくなっています。
甘みが強いものを見つけるコツは?
さて、一見すっぱそうな緑のみかんが問題なく食べられるものだという話をしましたが、それでも甘みがより強いものを見分けるコツは一応あります。
結論から言えば、
です。たぶん予想してた人もいるんじゃないかとは思いますが当たっていましたでしょうか?
黄色っぽくなると具体的に何が違うんだろう?
検証①
ちょっと黄色っぽくなっているものと全体的にまだ緑が強いものを剥いて並べてみました。
見た感じ、中身の見た目にはそこまで違いが無いように見えます。触ってみるとすこ~しBのほうが身が締まってるかなという気はしますね。
食べてみたところ、Aのほうが明らかに甘みを感じました。Bはちょっと酸味がキリっとして若い印象。ちょっと黄色っぽいとはいってもAとBそこまで大きく見た目が違うというわけでもなかったのですが、それでも割と差が出ますね……。
検証②
①の時点でほぼ確証を得たのですが、実はBのほうが少し小さかったのでサイズが関係する可能性も考え2回目も記録しました。
これは後日また購入したものです。先程のものより更に黄色い個体となっています。
量ったけど1g差で今度はほぼ同じ大きさ。
一応裏からも撮影。けっこう色ムラがありますからね。
袋ごと撮るとちょっと果肉の色がわかりづらいかな?と思ったので今度はカットして断面を見てみます。
左が皮が黄色いほう、右が緑のほう。あまり変わらない気がします。
皮をむいてみました。やっぱり果肉の色はそんなに変わらないっぽいですね。
ひっくり返してみました。右のほう(皮が緑のほう)がちょっとワタ部分が多いのがわかります。
皮を剝いてみるとわかるのですが、黄色っぽいものは緑のものより皮がむきやすいです。その際、黄色っぽいものは皮のほうに白いワタがくっついていくようです。ただこのくらいの量ならそこまで食味には影響ないかなと個人的には思います。どちらかというと果肉の味のほうが重要。
やはり黄色っぽいほうが甘いというか、酸味が落ち着いている印象。
簡単にまとめてみると…
最後に今回の内容を簡単にまとめてみると、
②甘酸っぱく、種が無く食べやすい。
③すっぱいものが苦手な場合は黄色っぽくなっているものがねらい目
…といった感じでしょうか。
念のために申し上げますが、決して緑の濃いものは良くないという話ではありません。緑のものもキリっとした酸味がアクセントになって美味しいみかんです。なのでどのように選ぶかは好みによるかなと思います。
以上、参考になりましたら幸いです。それでは。
※ハウスみかん全般の話はこちらに書いています(輸入温州みかんの話もおまけに)↓