『たんかん』と『みかん』の違いは何だろう?

たんかんとみかんの違い

冬~初春はたくさんの国産柑橘がお店に並ぶ時期。その中に『たんかん』というものがあります。

袋入りで売っていることが多く、パッと見た感じ普通のみかんとそこまで違わないように見えるため、『何が違うんだろう?』と思うかもしれません。

今回はたんかんとみかんの違いについて簡単に書いていこうと思います。

『たんかん』と『みかん』の違いは?

【最初に】
一般にわたしたちが『みかん』と呼んでいるのは『温州みかん』のことなので、『みかん=温州みかん』を前提として書いています。ご了承ください。

たんかんは『タンゴール』に分類される

たんかんも温州みかんも、広く見れば同じミカン科の仲間です。

これをさらに細かく分類すると、たんかんは『タンゴール』に分類されます。

タンゴールはみかんとオレンジを掛け合わせた品種の総称で、日本で有名なタンゴールの例としてほかに『清見(きよみ)』があげられます。

やまも
やまも

たんかんは『ぽんかん』と『ネーブルオレンジ』が親とされているよ

一方、温州みかんはマンダリン系になります。

たんかんは丸く、温州みかんは平たい

次に見た目について。袋入りのときはわかりづらいですが、実際に見てみるとだいぶ形が異なります。

横から見ると、少し下の方がどっしりしているものの、ほぼ丸型です。

この形状はオレンジや同じタンゴールの仲間である清見に近いように思います。

ブラッドオレンジとバレンシアオレンジ

比較用にオレンジを載せておきます。

一方、温州みかんは少し平たく、あまり高さはありません。

たんかんは皮がゴツゴツで硬い

形状だけでなく、表面の質感も大きく異なります。

たんかんは表皮がゴツゴツしています。実際に触ってみるとボコボコで硬く、かなりしっかりしている印象を受けます。

温州みかんのほうは表面がなだらかで皮はそこまで硬くありません。

写真のみかんはLサイズなのでたんかんのほうがちょっと小さく見えてしまいますが、たんかんもそんなに小さい柑橘ではありません(規格によります)。あくまで表皮の比較としてご覧ください。

よく見るとヘタ周辺のデコボコが顕著。沸騰した湯のような形。

ただしたんかん全部がそうというわけではなく、ゴツゴツ具合はものによります。

これもたんかん。このようにゴツゴツがあまり目立たないものもあります。

中身がしっかり詰まっている!

今度は切って断面を見てみましょう。

これがたんかんの断面。

一方こちらが温州みかん。

ずんだ
ずんだ

よく見ると温州みかんは中心の隙間が広いですね

果肉の色味は似ていますが、見比べてみるとたんかんは果肉が比較的中心のほうまで詰まっているのに対して温州みかんは少し隙間があります。

やまも
やまも

手で皮を剥いて食べるタイプの柑橘は温州みかんみたいに中心が空いてることが多いかなぁ(例えば『ぽんかん』や『カラマンダリン』など……)

中心まで果肉が詰まっているのはどちらかといえばオレンジに多い印象。

ちなみにオレンジ(代表格の『ネーブル』と『バレンシア』)はこんな感じ。中心の隙間は狭いという点が共通しています。

たんかんと温州みかん

先ほど上げたたんかんと温州みかんの写真をもう一度見てみましょう。

このたんかんは約135g(※量り忘れたため同じ袋入りのものを計量しました。サイズもほぼ変わらなかったので大体このくらいだと思います)に対して温州みかんは約145gで実はあまり変わりませんでした。

やまも
やまも

こんなにサイズが違うのに!?

先ほどの中身の構造から考えるに、中身が詰まっている分たんかんは重いのだと思われます。気になる人は実際購入するときに持って比べてみるといいかも。

皮は温州みかんのほうが剥きやすい

たんかんも温州みかんも手で剥くことができます。

ただ、温州みかんのほうが皮を剥きやすいです。

たんかんは中身がぎっちり詰まっているということもあり、少し剥きづらいです。なかなか剥けないから…と力を入れすぎると中身がつぶれてしまうことがあるので注意が必要。

包丁や果物ナイフでヘタ部分か反対側を少しカットすると剥きやすくなります。

それか、オレンジのようにカットして食べるのもオススメ。

※オレンジのくし切りについて↓

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酸味が強いものやひかえめなものなど様々

温州みかんは慣れ親しんだおなじみのみかんの味。

一方、たんかんはどちらかというとみかんというよりオレンジ寄りの味かな?という印象です。果汁がたっぷりあり、種があまり無いので食べやすい。

味はものにより、甘みに加えちょっと突き抜けるような酸味を持つものもあれば、酸味が落ち着いているものもあります。ただ、酸味が強いものも決して不快なすっぱさでは無いのでご心配なく。どちらかというとみかんよりオレンジ寄りの味かな?という印象。果汁がたっぷりあり、種はあまり無く食べやすいです。

やまも
やまも

甘みや酸味の強さはものによるからどっちが甘いかどうかはハッキリ言えないかなぁ……

あくまで今までわたしが食べてきたたんかんの感想ですが、酸味が落ち着いていて食べやすいものもあれば、甘みとプラスでちょっと突き抜けるような酸味を持つものもありました。ですが酸味が強いものも決して不快なすっぱさではなかったのであまり心配しなくていいと思います。

また、薄皮は比較的やわらかめなのでそのまま食べられます。ただ少しだけ硬いので人によっては噛み切りづらいかもしれません。その場合は薄皮をむいて中身をいただきましょう。中の果肉はちょっとくずれやすいので注意。

まとめ

やまも
やまも

最後に簡単にまとめて終わろう

たんかんと温州みかんの違いは、

  • 分類が少し違う(たんかんは『タンゴール』、温州みかんは『マンダリン』)
  • たんかんは丸く、温州みかんは少し平たい
  • たんかんは表皮がゴツゴツ、温州みかんはなだらか
  • たんかんは果肉が中心まで詰まっている、温州みかんは中心に隙間がある
  • たんかんは少しオレンジ寄りの味がする

旬の時期のおいしいたんかん、是非味わってみてくださいね。

【更新状況】
25.10.12:全体的に構成を見直し
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