2~3月はまだまだたくさんの柑橘がお店に並ぶ時期。その中に『たんかん』というものがあります。袋入りのことが多く、パッと見た感じほかのみかんとあまり違わないように見えます。今回はその『たんかん』について、みかん・オレンジなどとの違いも見ながら特徴をみていこうと思います。
『たんかん』の特徴を見てみよう
まん丸でオレンジ寄りの形状
まず見た目について。形状は全体的に丸っこいです。
横から見てみます。少し下の方がどっしりした感じですが、ほぼ丸ですね。温州みかんの場合少し平たい形なので全然違います。どちらかというとオレンジっぽい印象。
横から見たオレンジの例。
ゴツゴツした硬い表皮
次に表皮。みかんやオレンジと比べるとゴツゴツしているのが特徴。実際触ってみるとボコボコした感じが指から伝わってきます。また、皮が硬く、かなりしっかりしているように感じます。
みかんとの比較写真。みかんはLサイズなのでたんかんがちょっと小さく見えてしまいますが、たんかんもそんなに小さい柑橘ではありません(※規格によります)。
こう見ると、表皮の様子がかなり異なります。みかんのほうは表面が比較的なだらかでやわらかいイメージを持ちますが、たんかんはゴツゴツしていて力強そう。
余談だけど、このみかんは約145gで、並べているたんかんはたぶん135gくらい(※量り忘れたため同じ袋入りのものを計量)だから、実はあまり変わらなかったりする…。たぶんみかんがちょっとぶかぶかしていたのとたんかんの中身が詰まってるのが原因かな?必ずしも見た目が大きいと中身も大きいというわけじゃないんだなぁ。
よく見るとヘタ周辺のデコボコが顕著。写真のものは特に目立つのですが、程度は個体によると思います。
ほかの柑橘もヘタ周辺が盛り上がっているものがありますね。例えば、ぽんかんは絞ったような形、しらぬいは大胆なコブ状になっているのが特徴です。
こんな感じ↑。これらと比べるとたんかんはあまり形が整っていないというか、沸騰しているような形…という印象。種類によって見た目がいろいろ違うのが柑橘の面白い点です。
中身がしっかり詰まっている!
断面を見てみます。みかん色の果肉が瑞々しく輝いてきれいです。左写真を見ると皮がけっこう分厚く見えるのですが、別日に食べたものはもっと薄かったのでものによると思われます。横向きのカットを見ると、中心に少し隙間はあるものの、中までぎっちりと果肉が詰まっています。
ぽんかん・温州みかん・ネーブルオレンジの断面。こう見ると中の構造も種類によって違うのがわかります。
意外と皮がむきやすい
一見皮が硬くむきづらそうなのですが、意外と手でむくことができます。みかんと同じようにむくと下のようになります。
ただ、中身がぎっちり詰まっているということもあり、みかんと比べると少しむきづらいのが難点。あまり力を入れると中身がつぶれる可能性があるので注意してください。包丁で切れ目を入れてからむいてもいいと思います。その際は頭部分かお尻部分を横向きに少しだけカットするといいでしょう。
少し剥きづらいので、オレンジのように6~8等分にカットしてもOK。こちらも食べやすいです。お好きな食べ方でどうぞ。
※オレンジのくし切りについて↓
酸味が強いものやひかえめなものなど様々
味はものにより、甘みに加えちょっと突き抜けるような酸味を持つものもあれば、酸味が落ち着いているものもあります。ただ、酸味が強いものも決して不快なすっぱさでは無いのでご心配なく。どちらかというとみかんよりオレンジ寄りの味かな?という印象。果汁がたっぷりあり、種はあまり無く食べやすいです。
薄皮は比較的やわらかめなのでそのまま食べるのがいちばん良いのですが、少しだけ硬いので人によっては噛み切りづらいかもしれません。その場合は薄皮をむいて中身を食べるのも手です。中の果肉がちょっとくずれやすいので注意。
旬の時期のおいしいたんかん、是非味わってみてほしいなと思います。それでは。