国内栽培のぶどう12種類~どんな特徴があるの?~

ぶどうの品種

夏から秋にかけておいしい果物『ぶどう』。黒系の紫や赤紫、緑などの色があり、形状もよく見ると異なるというそれぞれの個性が強い果物です。

今回はその中から国内で栽培されている12種類について、筆者の個人的な感想を交えながら簡単にご紹介したいと思います。参考になりましたら幸いです。

※撮影日および時間帯にばらつきがあるため、写真の明るさに若干差があります。ご了承ください。

黒ぶどう

まずは黒系青みの強い(黒っぽい)濃い紫色をしています。

キャンベル・アーリー

略して『キャンベル』のみ表記することもあります。

粒は少し小さめ。酸味が強く、やわらかくもかなりもっちりした食感が特徴。皮は剥きやすく、種が多め。

ちょっと強めのすっぱさや噛みきりづらさ・種の多さなどから考えると少々ほかより食べづらい印象です。すっぱいものが好きな人ならそのまま食べてOKなのですが、すっぱいものが苦手な人はジャムなど菓子や料理の材料にしたほうが食べやすいかも。ネットで探してみると色々レシピが見つかりますので、是非自分に合いそうなものを探してみてください。

【注意!!】
①果実酒にぶどうを使うのは酒税法違反になりますので絶対NG
です。別の調理に使ってください。
②ぶどうはレンジで加熱しないようにしてください。破裂のリスクがあり危険です。

ほかの品種と比べると価格がちょっと安く、お買い求めやすいのは良いところ。ただ、地域やお店によるかもしれませんが、体感出回る時期が短い気がします。買いたい場合はよくチェックしておいたほうがいいかも。

やまも
やまも

大体8月上旬あたりかな?(年や気候によって少しズレはあるかも)

巨峰(きょほう)

おなじみの黒ぶどう。

名前に違わず大粒で、甘みが強く、酸味もほどよくあります。

ぶどうの品種の中では長い期間出回るため入手しやすいです。種ありと種無しが売っているので、パッケージの記載はよく確認してください。種無しのほうが手間暇がかかるからか少し価格が高い傾向にあります。

ずんだ
ずんだ

正確には『巨峰』という名前は品種ではなく商標名なのですが、既に品種名のような扱いになっていますね

本来の品種名は『石原センテニアル』といいます。かっこいい名前ですが馴染みが無いのとちょっと長いので覚えにくいかも……。

ちなみに品種名と商標名は同じ名前を登録できないという決まりがあります。ぶどう以外でも同様に商標名で出回っているものもありますよ。
【例】あまおう(いちご)、千雪(りんご)など

ピオーネ

巨峰と同様、長い期間出回る品種。巨峰と見た目は似ていますが、よく見ると果肉全体に少し赤みがあるようです。

甘みが強く酸味はひかえめ。キャンベルほどではないのですが、食感がもっちりしています。

やまも
やまも

『ニューピオーネ』は種が無いピオーネのことを指すよ

現在出回っているピオーネの大半はおそらくニューピオーネであると思われます。

藤稔(ふじみのり)

『ふじみのり』と読みます。

甘みしっかり、酸味もほどよくあります。みずみずしく、少しもちもちしていますが、ピオーネなどのもっちり感が強いものに比べるとやわらかく歯切れ良い食感。

たまたまこの写真のものは種が無いのですが、このとき購入したのは種ありでした。種が無いものも売っているようなので、買う際は確認してみてください。おそらくパッケージに書いてあると思います。

マスカット・ベリーA

ワインの材料として有名なぶどう。略して『ベリーA』とだけ表記することも。

酸味はそこまで強くなく、甘みもほどよくあります。果肉はみずみずしく、少しもちっとしつつもやわらかく歯切れよい食感。

皮を剥くと少し果肉に皮が残ってしまいますが、それでも割と剥きやすいほう(写真のものは色をわかりやすくするため少し包丁で削ったのできれいに見えると思います)。たまに種があるので注意してください。

やまも
やまも

名前に『ニュー』が付いた『ニューベリーA』は種が無いもの。ピオーネと同じだ

マスカットといえば緑色のイメージが強いのですが、実際はいろんな色があるようです。

赤ぶどう

黒系と比べると色が薄く、赤みの強い紫色の皮を持つ品種です。

安芸クイーン(あき)

今回の写真のものは少し緑色が残っていますが、ものによってはもう少し濃い赤です。

甘みがかなり強く、酸味はひかえめ。果肉がやわらかく果汁がたっぷり。一応緑っぽい粒と赤みの強い粒を両方食べ比べてみたところ、緑は少しだけ酸味が強かったです。ただ、それでもかなり甘く美味しい。

皮はかなり分厚く、そのまま食べると口の中に残り渋みを強く感じるため、個人的には剥いて食べることを推奨します。

※もう少し詳しくはこちら↓

『安芸クイーン』ってどんなぶどう?
安芸クイーン。赤系のとても甘いぶどうです。皮ごとでも悪くないのですが皮が丈夫で厚く口に残りやすいので、剥いて果肉だけ食べた方が美味しいと思います。

甲斐路(かいじ)

粒は少し細長い形。写真のものは量ったところ1粒5~7gといったところでした。中粒~若干小ぶりかな?という印象。ですが、その分たっぷり房に実が付いています。

皮、果肉ともに明るめの色合い。

甘みが強く酸味はひかえめ。食感はやわらかく、果汁も多めで食べやすい。

皮ごと食べられなくもないですが、ちょっと口の中に残ってしまうので人によっては舌触りが気になるかも。剥きやすいので気になる人は剥いて食べたほうがよさそう。

デラウェア

少し酸味が強めですが、甘みもじゅうぶんにあります。

国産ぶどうの中ではいち早く出回り始める品種がこちら。アップで撮影したため伝わりづらいかもしれませんが、1粒が約2g程とかなり小粒なのが大きな特徴。

やまも
やまも

小さいビー玉くらいのイメージかな

白ぶどう

白…と言いますが実際は緑色の品種。マスカットのイメージが強いものの、それ以外の品種もあります。

黄玉(おうぎょく)

甘みが強く、マスカットのような味。もちろん美味しいのですが、個人的には少しクセが強いような気がします。

果肉はやわらかく、果汁が多め。

皮は硬くないので、皮の状態がきれいであればそのまま食べても問題はなさそうです。種があるので飲み込まないように注意。

やまも
やまも

ぶどうの皮って渋いイメージがあるけど、これはどっちかというと酸味が強い感じ。渋みはあんまり感じなかったな……色素も関係するのかも

翠峰(すいほう)

粒が一際大きく、どっしりした印象。写真のものだと一粒15~20g前後、最大で25gとかなり大粒。少なくとも私が今まで食べた中で一番大きかったのはこの品種です。

甘みが強く、酸味はひかえめ。マスカットのような風味を持ちます。

表面が少し硬めですが、果肉はとろけるようにやわらかい。果汁もしっかりあり。

皮は薄いためピオーネなどと比べれば少し剥きづらいものの、きれいに剥くことはできます。皮ごとでも食べられますが剥くかどうかはお好みで。

※もう少し詳しくはこちら↓

『翠峰(すいほう)』ってどんなぶどう?特徴や味を見てみよう
『翠峰(すいほう)』白ぶどうの一種で、『翠』の名の通りきれいな緑色。少しサイズは大きめ。甘みが強く、マスカットのような風味。皮ごと食べられますが少し口の中に残りやすいのでそこはお好みで。

瀬戸ジャイアンツ

ジャイアンツの名前通り、一粒が大きいぶどう。また、ほかのぶどうと異なるモコモコした変わった形状がかなり特徴的。

甘みが強く酸味ひかえめ、しっかりめの果肉。皮はそこまで硬くなく、渋みなどもほぼ無いので、皮ごと食べるのがおすすめ。

※もう少し詳しくはこちら↓

『瀬戸ジャイアンツ』ってどんなぶどう?特徴を見てみよう
瀬戸ジャイアンツは名前に違わず一粒の大きさがかなりビッグなぶどう。真ん中が割れたような面白い形状です。皮ごと食べられ、甘みが強く、パリッとした食感がたまらない一品。

ロザリオ・ビアンコ

写真のものだと10g前後で重さで考えるとそこまで大きくはないのですが、細長い形状だからなのか見た目は大粒の印象を受けます。

マスカット系の風味があり、甘みが強い。果肉は割としっかりめですが硬すぎず、果汁も多めで食べやすいです。

皮は薄い割にはけっこう硬くて丈夫。まあまあ剥きやすいです。ただ、途中でちぎれてしまうのでつるりとは剥けません。皮ごと食べられますが、硬いので口の中に残りやすい印象。気になる人は剥いた方がいいでしょう。

ずんだ
ずんだ

以上、12品種の紹介でした。気になる品種がありましたか?
時期やお店によって出回るものが異なるので食べたい品種は注意深くチェックしておくことをおすすめします

今後また違う品種を食べた際はその都度追加していきたいと思います。

ほか、補足など

最後に。補足とか注意点をちょっと書いておきます。

日持ちはあまりしない

どの品種でも言えるのですが、古くなってくると果肉がもろくなり風味も落ちます。もっちりしているはずの果肉でも古くなるとボロボロです。

また、房に小さい実が密集している構造上、カビも生えやすいので注意が必要。

できるだけ早いうちにご賞味ください。

皮ごと食べられる?

いくつかの項目で皮ごと食べられるかどうかの話をしました。本来ぶどうは皮ごと食べられるもので、栄養面を考えれば皮付きのまま食べた方が良いと思われます。ただし、国産のぶどうは皮が分厚いものが多く、口の中に残りやすいというネックな点もあります。品種によっては皮が渋いので、いつまでも口の中に渋い部分だけ残ることになってしまいます。なので、美味しく食べたいのであればちょっともったいないですが皮は剥いた方がいいだろうと思います。

ずんだ
ずんだ

ちなみに輸入ぶどうの場合は上記と異なり、皮がかなり薄くパリッとしているのでそのまま食べやすいです。逆に皮は非常に剥きづらいです。

『ぶどう』と一言でいっても実際はいろんな特徴があるんで面白いですよね

※輸入ぶどうの品種例などはこちら↓

『輸入ぶどう』にはどんなものがあるの?国産ぶどうとの違いは?
輸入ぶどう。主に国産のぶどうが出回らない時期に多く見かけます。総じて身が締まっており、皮が薄くそのまま食べられるのが特徴。甘みが強くパリッとしていて美味しい。
【更新状況】
22.08.29:画像を少し整理しました。
23.09.07:安芸クイーンの項目および最後の補足の項目を追加しました。
23.11.13:翠峰の項目を23年度ベースに修正+単独記事へのリンクを追加しました。
25.05.08:瀬戸ジャイアンツの項目、輸入ぶどうについてのリンクを追加。
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