
今回のテーマは『西洋かぼちゃと日本かぼちゃ』。それぞれの特色について簡単に見ていこう。
『西洋かぼちゃ』と『日本かぼちゃ』の特色(写真付き)
西洋かぼちゃ
まず、普段スーパーなどで見かけるものは『西洋かぼちゃ』と呼ばれるものです。基本的に皮は緑色、果肉はオレンジ色。表面に凹凸が少なく、丸みをおびた形をしています。代表的なものは『えびす』『くりかぼちゃ』などですが、日本かぼちゃと比べると品種ごとの見た目の違いが少ないように思います。(※中には色が白っぽい品種や形が違う品種もあるのですが、珍しいのであまり見かけません)
果肉の色が濃いほどおいしいかぼちゃと言われています。
※若いかぼちゃだと色が薄く、黄色に近い色をしていることもあります。

下のような種類があるよ
くりあじかぼちゃ


スーパーなどで見かけるスタンダードなかぼちゃ。この形でよく見かけるものに『えびす』があります。上写真のように1/4にカットしてあることが多いですが、1/2だったり煮物や焼き物サイズで売っていることもあります。もちろん丸ごと売っていることも。
ぼっちゃんかぼちゃ


上の小型版といった感じのかぼちゃです。小さいですが、おいしく食べることができます。
ロロン

西洋かぼちゃには珍しい、細長い形のかぼちゃです。果肉の写真を撮り忘れてしまいましたが、果肉の色はふつうの西洋かぼちゃと同様にオレンジ色。ちょっと珍しいようであまり見かけませんが、ほっくりしておいしいのでもしお店で見かけたらぜひ買ってみてください。(ちなみに私もたまーに行くお店で一回しか見たことがないです。いつも行くお店じゃなかったので何とも言えないのですが……)
日本かぼちゃ
『日本かぼちゃ』は色や形のレパートリーが豊富です。代表的なものとしては『黒皮かぼちゃ』が上げられます。名前のとおり、色の濃い黒っぽい緑の皮で、ゴツゴツした形をしています。また、『日本かぼちゃ』は『西洋かぼちゃ』のように小分けで売っていることはあまりありません。おそらく水分が多いせいでカットすると傷みが早くなるからではないかと思われます。
果肉の色は西洋かぼちゃと比べると薄く、黄色っぽい色をしていることが多いです。種に近い部分(わた)は濃い色をしています。
※品種によっては濃いオレンジ色をしているものもあります。

日本かぼちゃは下のようなものがあるよ
ひょうたんかぼちゃ


品種名でなく総称。『バターナッツ』や『島かぼちゃ』などいろんなものがあります。上写真のものははっきりとはわかりませんが形状から見るにおそらく『バターナッツ』の若いものではないかと思います。
種は下のほうにあります。
つるくびかぼちゃ


鶴の首のような形をしていることからそう呼ばれます。これをひょうたんかぼちゃと呼ぶ人もいますね。
小菊かぼちゃ


ぼっちゃんかぼちゃのように小さいサイズのかぼちゃ。上から見ると菊のような形をしています。『黒皮かぼちゃ』もこのような形です。
どんな調理法が合うの?
西洋かぼちゃは日本かぼちゃと比べると煮崩れがしづらいため、煮物に最適です。ほっくりとした食感に仕上がります。また、元々の甘みと砂糖・しょうゆなどの調味料がよく合います。ほか、マッシュしてサラダにしたり焼き菓子の生地に混ぜて焼いたりしてもOK。
西洋かぼちゃは硬く、実も厚いので、切るのにかなり力を入れないといけません。また、丸ごと1個から切る場合は特に安定性が悪いため手がすべらないよう注意が必要です。うまく切れる自信がない場合はカットされているものを調理内容に合わせて購入したほうが安全です。
一方日本かぼちゃは西洋かぼちゃよりはやわらかいので、多少安定性が悪くてもカットしやすいのが利点。ですが煮崩れがしやすいのがネックなところ。できないということは決してないのですが、西洋かぼちゃと比べれば難易度が上がります。角をきちんと切り取り、落とし蓋をして、加熱しすぎないように慎重に調理したほうがいいでしょう。実際わたしもよく作りますが、よく煮崩してしまいます。ただ、味はよくしみますし、しっとりとした食感と落ち着いた甘みがあり、こちらはこちらでおいしいです。

もし日本かぼちゃを初めて入手して使い道に困った場合、煮崩れをあまり気にしないのであればまずは煮物にしてみると西洋かぼちゃとの違いがわかりやすいんじゃないかなって思うよ。
やわらかいので成形するようなものや形を残す料理にはあまり向いているとは言えませんが、ペーストにしやすいので、ポタージュやかぼちゃプリン、ようかんなど、汁物or後から固める料理であれば気にせずに作ることができます。マッシャーなど手動でつぶすとどうしても固形分が残り見た目に影響するので、一旦漉すか、できればミキサーにかけたりしたほうがきれいにできると思います。
以上、簡単にでしたが、参考になりましたら幸いです。それではまた。