秋の味覚のひとつ『柿』。品種によっては1月くらいまでは入手できます。
今回はその中から『きよた柿』について簡単に書いていこうと思います。
きよた柿の特徴は?
ちょっと縦長で『あたご』にソックリ
通常の柿は丸っこいものが多い中、きよた柿は縦に長く、先がちょっと尖っているのが特徴。
大きくどっしりとした三角形の柿に『富士柿』というのがありますが、あれをもっとコンパクトに、ほっそりとさせたようなイメージ。また、ちょっと『筆柿』にも似ているのですが、筆柿はヘタ周辺がもっと絞ったような形なのでよく見れば違うのがわかります。(※実を言うと、わたし自身長いこと筆柿と勘違いしていました。今ならはっきりわかるのですが……)
『あたご』という柿もあるのですが、それにソックリです。
それもそのはず、きよた柿はあたご柿から枝変わりしたものと言われています。ならば似ているのも納得といえます。
ほかの柿も『平核無と刀根早生』『富有と松本早生富有』みたいに似たような関係のものがありますね
※平核無と刀根早生についてはこちら↓。正直見分けはつきません。
上から見るとこんな感じ。きよた柿は幅があまりないので相対的にヘタが大きく見えます。
断面。ゴマがほぼ無く、果肉がきれいな色をしています。また、種はあったり無かったり。種は細長く、形状が富士柿のそれに似ています。種がある場合、細かく切ろうとすると包丁に引っかかるので注意。
甘柿はゴマが目立つけど、渋抜き柿は果肉が割ときれいなんだよな
中心付近に少しゴマっぽい模様が見られるものもあります。
渋抜き柿の一種
柿には甘柿と渋柿があり、渋柿の渋を抜いたものが渋抜き柿。きよた柿は渋抜き柿(※そのまま食べられる状態で売っている場合)です。
近年、干し柿を自分で作る用に渋を抜いていない柿を売っているのをよく見かけます。形状を見た感じ、おそらくあたご柿かきよた柿のどちらかではないかと思います。
まだ渋を抜いていないものは『渋柿』と表記がされていますが、『そのまま食べる渋抜き柿』を買いたい場合は見間違えて買わないようによく読んでから購入することを推奨します。
自宅でも渋抜きはできるので、もし間違えて買ってしまった場合はチャレンジしてみてもいいかもしれませんね。
しっかり甘い
甘みがしっかりあり、種もあまり無く食べやすいです。果肉は硬すぎずやわらかすぎず。
少し果肉がざらついているような印象があります。切った時に果汁に細かい果肉が混ざっているような感じ?で、他の柿の時はあまり感じない触感(あたごは…どうだったかな、ちょっと覚えていないので今後購入した際に確認します)。ただ切った際に果肉を触るとそう感じるというだけなので、食べる際には特に気になりません。
オマケ:緑のうちから食べてOK?
たまに、見た目が緑がかったまま売っていることがあります。
これって食べても大丈夫?と心配な人もいるかも。
大丈夫、緑でも食べられるよ
緑が残っているものと並べてみました。(裏はもうちょっとオレンジ色)
写真だとかなりわかりづらいですが肉眼だとやっぱり皮が緑色のほうの果肉の方が黄色いです。また、そこまで大きく変わるわけではないものの緑の部分は皮を剥くときちょっと硬く感じました。
緑が残っているほうは少し歯ごたえが強いですが、見た目に反して普通に甘いです。流石にオレンジ色の濃いもののほうがより甘く食感もやわらかいのですが、緑が残っていても特に食べづらいという感じはありません。
同じ緑色の柿でも、甘柿と渋抜き柿では異なる点があります。例えば太秋柿など甘柿の場合、緑が濃いとまだかなり硬く、甘みもあっさりめ。歯が丈夫かつ甘みがそこまで無くても大丈夫な人なら問題無く食べられるのですが、甘い柿に慣れていると物足りなく感じるし噛む力が弱いと食べづらいので、好みや条件によって人を選ぶ感じです。一方、今回のきよた柿のような渋抜き柿の場合、緑色でも甘く、そこまで硬くもないので食べやすいです。
ただ、追熟させたい場合、甘柿より渋抜き柿のほうが見極めが難しい気がするな……
渋抜き柿の追熟はオレンジ色になるのを律儀に待っているともう食べ頃を過ぎてしまっている…というパターンもあります。毎日きっちり確認すれば大丈夫とは思いますが、追熟させなければ硬い甘柿と違い緑色の時点で食べられるので、心配な人は早めに食べた方がいいかもしれません。
以上、参考になりましたら幸いです。