緑の柿って食べられるの?~甘柿と渋抜き柿の違い~

緑色の柿って食べられるの?

柿と聞いて貴方は何色を思い浮かべますか?大抵は完熟したオレンジ色を思い浮かべることでしょう。ですが、たまにスーパーや直売所などで緑色の柿を販売しているのを見かけます。

この柿ってそのまま食べられるのでしょうか?

今回は緑の柿(青い柿)について書いていこうと思います。

緑色の柿って食べて大丈夫?

まず結論から言えば、柿は緑色の状態でも食べられます。

流石にある程度育っていないと美味しくないでしょうが、少なくとも市場に出回っている段階のものに関しては心配する必要は無いでしょう。

ただあくまで個人的な経験から言うと、緑色と一言で言っても甘柿と渋抜き柿では食味が異なるようです。

今まで購入してきたものから例をあげていきます(※個人的な感想も大いに含みますのでご了承ください)。

甘柿の例①大秋柿

まず、緑色の状態で売られている柿でよく見るものに『太秋柿(たいしゅうがき)』があります。

緑色の太秋柿比較①

どちらも大秋柿。①はかなり緑が濃く、②も少し緑がかっていますが下から見るとオレンジ色です。

これを半分に割ってみましょう。

緑色の太秋柿比較③
やまも
やまも

だいぶ色が違うなぁ

②のほうは見慣れた柿の色といったところ。①はまだ色づいておらず、白っぽい見た目をしています。

食味のほうも全く異なり、②のオレンジ色のほうはいつも食べている柿と同様に甘く、やわらか。多少皮が緑色でも中はしっかり熟れているようです。

一方①の緑のほうは硬くシャキシャキした食感。ちょっと梨を硬くしたようなイメージ。やさしい甘みがあります。苦みや渋みは特に無し。

やまも
やまも

緑色のほうはこの噛み応えの強さとあっさりした味が売りと言えそう

逆にやわらかく甘い柿が好きな人にとっては物足りないでしょう。また噛む力が弱い人だと食べづらいです。柿は追熟する果物なので、普通に甘いものを食べたい場合は数日待つことをおすすめします。



ずんだ

ずんだ

油断すると熟しすぎることがあるので管理に気をつけてくださいね

※太秋柿についての記事はこちら↓

『太秋柿』ってどんな柿?緑でも食べられる?
太秋柿、緑のものは歯ごたえが強くさっぱりした甘み、熟れていくとやわらかく柿らしい甘みが出ます。多少緑の部分が残っていても中身はやわらかく熟れている場合があるので食べ時を逃さないよう注意してくださいね。

甘柿の例②小さい柿(※西村早生?)

こちらは直売所で購入した柿。2019年のことなのでだいぶ前になります。

見るからに緑色で、触ってみるとかなり硬い。まだ熟れていない印象を受けます。そして何となく緑茶っぽい香りもあり。

切ってみるとこんな感じ。そこまで強くはないものの、ほんのりと甘い柿の香りがします。

やまも
やまも

この茶色いツブツブは『ゴマ』と呼ばれるもの。変なものじゃないから心配しなくて大丈夫

品種名の記載がなかったので断定はしかねますが、購入時期が9月下旬と割と早めなことや、果肉のゴマの多さから見ておそらく『西村早生(にしむらわせ)』ではないかと思います。

西村早生・断面

西村早生と仮定した場合、やはり果肉の色は熟しているものより薄いといえます。

※西村早生は柿の中でも早めに出回る品種で、果肉全体が濃い茶色なのが大きな特徴です↓

『西村早生』ってどんな柿?特徴やほかの品種との違いは?
西村早生は8月終わり~9月あたりと早めに出回り始める柿で、果肉が濃い茶色をしているのが特徴。シャキッとした硬めの食感で、ほどよい甘みがあります。

さて、肝心な食味についてですが、

やまも
やまも

すごく硬い……

かなり硬く、甘さひかえめ。記憶の限りだと先に紹介した太秋柿より硬かったように思います。特に芯の部分が硬いためカットする際は取り除いたほうがいいかも。

ずんだ
ずんだ

決して食べられないというほどではないものの、けっこう食べづらいですね……味より硬さがネックといった印象です

さすがに追熟させることにしました。

数日経ったものがこちら。前よりだいぶオレンジ色に染まりました。

果肉の色もご覧の通り、濃くなっています。やわらかくなり、甘みも増しました。

正直熟しすぎた気はしますが、硬くて食べづらいよりは幾分かいいかな……と思います。

渋抜き柿の例①きよた柿

前2つでは甘柿について紹介しました。今度は渋抜き柿を見ていきます。

まず『きよた柿』

きよた柿・緑色との比較

ちょっとほっそりした形が特徴です。

写真右側の柿の方はまだ緑色が残っています。

ですが、

きよた柿・緑色との断面比較
やまも
やまも

…アレ?同じ?

ずんだ
ずんだ

肉眼で見るとちょっと右が黄色いんですけど写真だとほぼ見分けがつきませんね……

太秋柿などの甘柿と比べると少し黄色っぽいものの、色の差はあまり無いようです。

オレンジ色のほうがより甘くやわらかいのに対し、緑のほうは少しだけ硬めで歯ごたえがあります。ですが甘さは十分あり、特に食べづらいといった感じはありません。

渋抜き柿の例②樽抜き柿(※品種不明)

別の渋抜き柿もひとつ紹介しておきましょう。

小さい樽抜き柿。果皮はかなりきれいな緑色でハリとツヤがあります。触った感じはけっこう硬め。

ずんだ
ずんだ

『樽抜き(たるぬき)』というのは渋抜き方法のひとつです。この柿の品種は記載が無かったため不明です(※今後わかれば追記します)

果肉はきよた柿と似たような色合い。

これも緑の状態ですが甘さがしっかりあり、美味しいです。

ずんだ
ずんだ

ただし皮はまだ硬いのでちょっと剥きづらいです。そこは注意してくださいね

これも試しに追熟させてみたのですが……

やまも
やまも

ウーン微妙……

数日経過して色は濃くなりましたが、果肉がやわらかくなりすぎて切り分けることもできず、半分に切ってから皮の内側をかじるように食べました。

前より少し甘くなったような気もするのですが、ドロッとしており口当たりがあまりよくありません。正直あまり美味しいとは言いがたい……という印象。

あと、1個はいつの間にか傷んでしまっており申し訳ない気持ちになりました。

そもそも購入時点のもので既に甘かったので、追熟を待つ必要性は特になさそうです。購入してすぐがベストなタイミングだったのではないかと思っています。

まとめ

やまも
やまも

最後に簡単にまとめておこう

柿は緑色でも食べられるが、

  • 甘柿の場合はかなり硬く、噛み応えあり。味はひかえめ。歯がしっかりしていてかつ甘くないものを好む人向け。甘いのが好きでやわらかくしたい場合は追熟させてもOK
  • 渋抜き柿の場合は甘柿ほど硬くなく、食べづらさは特に感じない。味も普通に甘い。購入時点ですでに甘いし追熟はかえって失敗する可能性があるためあまりおすすめしない

このようにだいぶ違いがあるので、購入する場合はどちらに該当するのか把握しておいたほうがよさそうです。

【更新】
22.07.11:甘柿と渋抜き柿の記事を分離
22.11.02:太秋柿のリンクを追加
23.08.23:全体の構成を少し変更+西村早生のリンクを追加
25.08.22:全体の構成を変更、甘柿と渋抜き柿で再度記事を統合
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