秋の味覚のひとつ、『柿』。柿と一言で言ってもいろんな種類があります。
今回はその中から『西村早生(にしむらわせ)』について簡単にご紹介します。
西村早生ってどんな柿?
早い時期から出始める
西村早生は出回り始めるのが早く、8月終わりまたは9月始めあたりからお店で見かけるようになります。その年度の秋に最初に見かけるようになる柿は大体この品種と思ってOK。
しばらくして平核無(ひらたねなし)や富有柿などが出回り始めます。

その年の気候や地域で時期は異なってくるだろうから8月にはまだ見かけないって年もたぶんある。確か2022年は地元で全然見かけなくて、だいぶ遅くになってから出回り始めた記憶があるね……(※あくまで筆者の地元の話)
果肉が茶色い!


上から見ると少しだけ角張っているように見えますが、大体丸っぽい形です。

斜め上からだとこんな感じ。
こう見ると何の変哲も無い普通の柿のように見えます。
ですが切ってみると……


うおー、すごい茶色!!
果肉が全体的に濃い茶色をしています。見ようによっては黒っぽいくらい。
初めて西村早生を買った人の中には知らないまま切ってビックリしてしまった人もいるのではないでしょうか。
『これって食べても大丈夫なの!?』
…と心配になるかもしれません。
ですがご安心を。
これは西村早生が持つ特徴なのです。
柿の果肉にはタンニンの影響で黒い斑点が入ることがあります。これは『ゴマ』と呼ばれています。甘柿によく見られ、渋柿では目立たない傾向にあります。
西村早生は甘柿なのですが、中でも特にゴマが多く、果肉全体も茶色く見えます。

今までいろんな柿を食べてきましたが、こんな果肉を持つものは他に見たことが無いです
(※追記:まだ食べたことが無いため知らなかったのですが、筆柿も果肉が茶色いようです)

皮をむいてカットするとこんな感じです。やっぱり茶色い。

試しにほかの柿の断面も見てみようか


甘柿である『富有柿』と『次郎柿』の果肉はこんな感じ。全然違いますね。

こう見るといかに西村早生のゴマの量が多いかがよくわかりますね……
ほどよい甘さとシャキシャキ感
少し硬めで噛みごたえがあり、シャキッとした食感です。
味はとびきり甘い…というわけではないものの、ほどよい甘さでおいしい。変わっている見た目に反しクセはありません。
果肉が硬く、噛む力が弱い方だと食べるのが難しいかもしれません。薄く切ったりしても無理そうな場合は少し日にちを置いて追熟させてみてください。

ほかの柿と比べると少しひかえめな味なので、人によってはちょっと物足りなさを感じるんじゃないかなと思います。そのまま食べるだけでなく、柿なますなどの料理に使ったりと食べ方の工夫をしてみるといいかもしれませんね
追熟させすぎには注意!!
ほかの柿にも言えることですが、日を置きすぎると熟れすぎてしまいます。西村早生はある程度日持ちはしますが油断は禁物。



うわぁ……
この状態になってしまうと、果肉が切り分けられないくらいドロドロになってしまい、風味も落ちてしまいます。上写真のものを食べてみたところ、果肉はやわらかいのに筋っぽい部分が口の中に残り、舌触りが良くなく、あまりおいしいとは言えませんでした。
多少黒っぽくなっているだけならまだ食べられなくなったわけではない(※)ので、ジャムなどに加工してみてもいいかも。
特に近年は気温が高いので管理にはくれぐれもご注意ください。
まとめ

最後に簡単にまとめよう
西村早生は、
-
早い時期から出回りはじめる柿(大体8~9月)
-
果肉が茶色(黒っぽい)のが大きな特徴
-
食感が硬めで甘みはあっさりめ
出回り始めるのが早い分、終わりも早いです。ほかの柿を見かけるようになる頃にはだんだん減ってきてそのうち見かけなくなります。食べたい場合は時期を逃さないよう、早い時期から青果コーナーをチェックしておくことをおすすめします。
※西村早生を追って出回りはじめる『平核無』や『刀根早生』はこういう柿です↓

※ほかの柿一覧はこちら(現在11種)↓

23.08.26:全体的に構成を変更、比較用の写真の追加など
23.09.19:写真を2枚追加+それに伴う追記
25.08.25:全体的に構成の見直し、他記事のリンク追加など